2008年5月18日日曜日

Portishead

1990の始めの頃、アメリカでHipHopブームが起こりそれはイギリスにも飛び火し、また定着もしていました。当時不動の人気を誇っていたCOLDCUTがよりイギリスらしい独特のレーベル、「NINJA_TUNE」を設立したのが1990年。彼らは次第にUK_HIPHOPと呼ばれるブレイクビーツを生かした、アブストラクトでとても実験的なHIPHOPを紹介していくようになりました。なかでもダウンテンポで劣化したブレイクビーツを主体に、ダウなーなサンプルを組み込んだ独特の音楽性は、そのサウンドのイメージからトリップホップと呼ばれるようになりました。そんな中、1994年に突然現れたのが、プログラミングからキーボード、ドラムまでこなすジェフ・バーロウさんとシンガーのべス・ギボンズによるPortisheadです。彼らは瞬く間に全世界の話題となり、1991年にデビューしたマッシブ・アタックや、その初期メンバーであったトリッキーらと共に、活動の拠点がブリストルであったことから、その音楽性はブリストル・サウンドと呼ばれるようになり、一気に世界的にメジャーなものになりました。メンバーも含めて誰もが想像していなかったこのメガヒットは次の作品へのとてつもないプレッシャーを生み、過酷なプロモーションで体調を崩したギボンズさんは、一切のインタビューを断ると宣言するほど追い込まれてしまいました。しかし、その後ギタリストのエイドリアン・アートレイさんも加わり、1年あまりかけて制作され、1997年にセカンド・アルバムである「Portishead」を発表しました。こちらもファースト・アルバムに劣らない傑作でした。こちらも大ヒットとなり彼らはワールド・ツアーを行いました。ニューヨークでは、何とニューヨーク・フィルハーモニックを従えライブを行い、1998年にその模様をビデオ・CDで発売しています。しかし、プレッシャーと戦いながら続けてきた活動にすっかり疲弊してしまったメンバーは、その後の展開を考える以前に休息を必要としていました。しかし、10年間もの沈黙を破ってついにサード・アルバムである「サード」が発表されたのです。このアルバムは彼らが何よりすぐれたバンドであることを感じさせてくれる仕上がりとなっています。

1 件のコメント:

Silly Bus さんのコメント...

It is a very nice and good post. Keep up the good work.