2008年6月9日月曜日

THE_MUSIC

THE_MUSIC」が、4年ぶりのフルアルバム「STRENGTH_IN_NUMBERS」をリリースしました。この作品は帰還を告げるだけでなく、4年のブランクが嘘のような、2008年の時代性をもつ実に堂々としたアルバムです。2002年にデビューアルバム「THE_MUSIC」をリリースし、UKチャートで4位を記録した時のメンバーはまだ18歳でした。今はダンスロック勢に限らず、ほとんどのバンドがビートに対して意識的に取り組み、そこでオリジナリティと革新性を獲得しようと躍起になっていますが、彼らがデビューした当時のUKロックシーンには、そんなことを考えているバンドはほとんどいませんでした。今となっては、同じ年に「House_of_Jealous_Lovers」で世界中のクラブ~ロックシーンを席巻したNYのラプチャーや、UKだとフランツ・フェルディナンドのほうが、2000年ダンスブームのスタートポイントとして語られていますが、実質UKで口火を切ったのはTHE_MUSICだといってもいいでしょう。躍動感溢れる図太いダンスビートの上で、ブルージーでエネルギッシュなハイトーンヴォイスが奔放に暴れまわる様は本当に圧倒的で、それを鳴らしているのが18歳の少年達だとはどうしても信じられませんでした。しかし彼らは2004年にセカンド・アルバムをリリースした後表舞台から消えてしまいました。レーベルから強要されたといわれるヘヴィネス路線やアメリカ進出によって疲弊してしまいバンドは分解状態、核となるメンバーのロブとアダムも鬱になってしまったそうです。それを乗り越えて生み出された今作は、セカンド・アルバムのハードロック路線は葬りさられ、ファースト・アルバムで見せたダンス路線を強力に推し進めた完全ダンスモードなアルバムです。つまりは図らずとも今のシーンにはマッチしているのです。ファースト・アルバムの根拠のない自信にあふれた獰猛性は影を潜めていますが、この4年間に味わった経験が人間的な深みを与えたことを感じさせるロブのヴォーカルは、相も変わらない衝動性と共に、圧倒的な存在感で楽曲を引っ張っていきます。フジロック・フェスティバルで来日するので、そのライブに期待は高まる一方です。

2008年6月8日日曜日

SOIL&PIMP_SESSIONS

SOILの4枚目のフルアルバム「PLANET_PIMP」が先月5月にリリースされましたが、今回の作品は非常にいい意味で肩の力が抜け、気負いのない純粋な音楽的挑戦感を持って作り上げられたのが感じられる作品です。SOILはその音楽の根底にレベルミュージックとしての意識、社会的弱者が自らの存在意義を主張するために鳴らす音楽としての意識と意義を強く持っているバンドで、それがひりひりとした音の闘争性の強さや爆発力に結びついています。過去にジャイルス・ピーターソンのレーベルからリリースを果たし、今や世界各地のイベントに引っ張りだことなったという事実は、彼らの中にひとつの達成感を生み、また別の角度から自らの音楽を見つめ直す機会を与えたのだと思います。代名詞となった爆音ジャズから、今まで以上にジャズのフォーマットを無視したヒップホップ以降のビート感の曲、静かに揺らぐグルーブの中に鋭い音像を差し込むミドルテンポの楽曲、あるいはクラシカルなジャズマナーを感じさせる楽曲など、音楽性の幅がぐんと上がり、より奔放に魂をぶつける自由な音楽が実現しています。このアルバムの曲目は、1曲目「I.N.T.R.O」、2曲目「Hollow」、3曲目「STORM」、4曲目「Fantastic_Planet」、5曲目「GO_NEXT!」、6曲目「Darkside」、7曲目「Sea_of_Tranquility」、8曲目「The_world_is_filled_by...」、9曲目「Khamasin」、10曲目「Struggle」、11曲目「ミンガスファンクラブ」、12曲目「Mars」、13曲目「SATSURIKU_Rejects」、14曲目「Sorrow」です。たった1分弱の曲「ミンガスファンクラブ」を聴いて納得したのは、型破りなベーシストであった異端児、故チャールズ・ミンガスへの敬意を込めたハイスピードの爆音ジャズが彼らの音楽性を包括していることです。いつの時代もジャズが時代の最先端を行く型破りな発送と手法とパフォーマンスを演出し得るものだということを教えてくれるバンドが彼らであり、このアルバムではジャズへの愛と情景がより素直に表現されていて、非常に気持ちがいいです。

2008年6月7日土曜日

WALDORF_Blofeld

昨年から復活をとげたWALDORFから待望の新シンセサイザー「Blofeld」が登場です。こちらは伝統のウェーブテーブル波形68個で特異な音作りができます。寸法はW304×H54×D132mmととても小さく一般的なものよりも二回りくらいは小さいです。ボディはメタル製でノブはステンレス製、持ち運びに困ることはないですが、ずっしりとした重量感と質感がたまらない魅力を放っています。また目を引く大きな液晶パネルの視認性も良好です。現在どのパラメータを触っているのか、エンベロープ・カーブがどのように描かれているのかがグラフィカルに表示されるので一瞬で把握できます。背面はMIDI_IN、USB端子、ステレオアウトプット、ヘッドフォン、とシンプルな構成です。USBは標準ドライバーを使用したMIDI入力端子として使えるので、面倒なセットアップもなく、接続すればすぐにしようできるというやさしさも持っています。今回の製品は、この小さなボディに同社のお家芸とも言える、ウェーブテーブルや高品位なフィルター、モジュレーション・マトリクス、16マルチティンバーなどさまざまな要素を取り込んだシンセ・ファン待望の一台となっています。初めから入っている膨大な量のパッチはなんと1000以上で、これらはカテゴリー・サーチ機能によって簡単に目的の音色に辿り着くことができます。音源部には通常のオシレーター波形ももちろん搭載されていますが、やはり魅力的なのは68個にわたるウェーブテーブル波形です。複雑に変化するウェーブテーブルの音はこのWALDORFのシンセサイザーでしか味わえない独特なものです。キラキラ光るパッドやうねるSE音など特徴的なサウンドを作り出すことができます。加えて通常のオシレーター波形が使用されたサウンドもすばらしい出来で、特筆すべきは、高品質なフィルターを装備していることです。フィルター・タイプもローパス、ハイパス、バンドパス、ノッチに加えて2つのコムフィルター、さらにPPGローパスも装備しており、1ボイスごとに2つ設定することができます。それらを直列にするか、並列にするか、などを柔軟に設定可能で、フィルターだけでも複雑なサウンドを作ることができます。小さなボディにこれだけの機能を詰め込んでいて、他のシンセサイザーとは完全に違う個性を持った本機。この一台があるだけで制作の幅は格段に広がるでしょう。

2008年6月6日金曜日

monobright

ライヴを念頭に作成された前作「WARP」でストレートなロックを打ち出したモノブライトが一転、初夏の風を感じるミニアルバム「あの透明感と少年」をリリースしました。夏は似合う感じはしていましたが、これまでは熱帯地方というイメージだったのが、この作品では爽やかな初夏のようです。胸がきゅんとするようなラヴソング「夏メロマンティック」や、故郷を思って作り上げたという「旅立ちと少年」などは「music_number」を彷彿とさせるミドルナンバーです。今回、SEが効果的に使われている「幽霊」はコンセプトアルバムだからこそ聴ける、実験的な楽曲です。タイトルトラックの「あの透明感と少年」の中で大人の歌詞を綴りつつも、その後に純愛な曲が続いているのがモノブライトらしいところです。収録曲は、全6曲、1曲目「あの透明感と少年」、2曲目「boy」、3曲目「夏メロマンティック」、4曲目「旅立ちと少年」、5曲目「幽霊」、6曲目「雲男」です。インディ時代のミニアルバム「monobright」から一貫してヴィヴィッドな色使いとメリハリの効いたモチーフをジャケットに用いてきたこれまでの作風から一転、濃淡のある淡い色と抽象的なモチーフによる、彼ららしくない印象画をジャケットに掲げるこの作品は、サウンド的なことに限って言えば、実は見かけほど新しい挑戦がなされているわけではありません。一曲を貫くキーボードが柔らかに曲を躍動させていく「夏メロマンティック」は昨年発売したファースト・アルバムの中に入っていても不思議ではないカラフルなポップソングであり、カントリーフォークのような「旅立ちと少年」も、モノブライトのロックのルーツを想像すればそんなに違和感のある曲ではありません。だからこそ、尚更、歌が歌としてまとまっている感じは、明らかにこれまでのモノブライトにはありませんでした。同じ事をやっても衝動を衝動として打ち出していたこれまでのモノブライトとはそういった意味での変容を遂げているといえるでしょう。このミニアルバムから感じる爽やかさは、そういったところからきているのでしょう。

2008年6月5日木曜日

KAIKOO_MEETS_REVOLUTION

仙台で「ARABAKI_ROCK_FES」が開催され、今年もロックフェスシーズンが到来したのを告げたのと同じ日、4月26日と27日に、横浜で新たなフェスが誕生しました。その名も「KAIKOO_meets_REVOLUTION」。DJ_BAKUさんと、曽我部恵一さん、ザ・ブルーハーブ、バック・ドロップ・ボムなど、ジャンルもメジャーもアンダーグラウンドも関係なく、ただ音楽を通して自己表現を行っている、言い換えれば音楽と生きることがイコールになっているという点でつながるアーティスト達が、音を響かせるというひとつの目的の下に集まったフェスティバルです。商業エンターテイメントとしてのフェスではなく、アート、自己表現を通じて音楽を発信する場としてのフェスとして、人と音、人と人とのコミュニケーションが生まれる場所を作ること、そしてそこに宿る純粋なエンターテイメント性を大切にすることに徹底的にこだわって運営されたフェスティバルです。夏になればほぼ毎週末、日本のどこかでフェスが開催されるようになった現在ですが、これだけ様々なジャンルのコアを担うアーティストがまったく同列に並び、ストイックな表現としての音楽の多様な生き様をきっちり提示しようという意志をもったフェスはほとんどありません。この「KAIKOO_meets_REVOLUTION」の会場になったのは、横浜中華街のすぐ隣に位置する横浜ZAIMというビルで、元々は旧関東財務局および旧労働基準局の建物です。ひとつひとつの部屋をうまくつかい、2Fにふたつのステージ、3Fにステージとフードスペースおよびアートスペースと物販スペースそして4FにもステージとNPOスペースを設け、ひとつのビルの中に合計4つのステージを作り出していました。ライブは両日とも12時くらいから22時くらいまで行われ、ジャンルもまったく関係のない全85組が、それぞれの思いや主張を様々な形の音と言葉に変換し、自由かつ気合の入ったパフォーマンスを繰り広げました。このフェスが明確に公言しているのが、邦楽メジャーフェルに対するアンチラーゼです。ビッグフェスが光を当てないオルタナティヴなシーンをリスナーに提示することで、この国の音楽をもっと何とかしていきたいという気持ちで運営されているのです。

2008年6月4日水曜日

LITE

LITEというバンドは日本のバンドにしてはとても音楽性の高いバンドで、インスト・バンドとしての新しい価値観をいちいち握っています。まず、音に思春期性があるということです。レイヴ的な音が耳に残るパンクのような精神性を持っており、跳ねるように、透明感を求めてこの衝動轟音世界を描いているのだと思います。ハードコアとビートロックが分かり合えない場所でお互い線を引いていた時代には絶対にに生まれることがなかったであろう、カジュアルな姿勢によるヘビーなサウンドとアンサンブル。中にはサンバリズムを取り入れてまでダンスの快楽性を導入しているものまであります。2本のギターとベースとドラムからは、一緒の景色をみようというメッセージを投げかけられているようでもあり、この無垢なプレイヤビリティはラジカルな異物を生み出したようにも感じます。5月21日に発売されたLITEPhantasiaというアルバムはポップソングしか聴かない人たち、歌謡曲しか聴かない人たち、そんな人たちに深く眠る「もっと音楽を楽しむ」といいう潜在能力を引き出す。LITEの視点はそんなところにあるような気がします。感情の起伏を音楽と共に楽しむ。それが音楽の楽しみ方の一つで、それが映画音楽ではない、ビジュアルのないインスト音楽の醍醐味だとしたらLITEの方法論は非常に険しいですが、明らかな方向性を見ることができます。インストロックとして、ベースが歌い、ギターが渦巻いて、ドラムが叩き切る。それが情熱だったり、悲しみだったり、切なさになったりしています。1曲目の「Ef」から始まり、2曲目「Contra」、3曲目「Infinite_Mirror」、4曲目「Shinkai」、5曲目「Black_and_White」、6曲目「Interlude」、7曲目「Ghost_Dance」、8曲目「Solitude」、9曲目「Phantasia」、10曲目「Fade」、11曲目「Sequel_to_The_Letter」まで全て抜かりのない仕上がりとなっています。プログレッシブな楽曲の構成力といい、演奏の切れ味といい、実にスリリングで圧巻の一言です。

2008年6月3日火曜日

THOM_YORKE

レディオヘッドのTHOM_YORKEさんがニュー・リミックス・アルバム「THE_ERASER_RMXS'」を発表しました。最近、THOM_YORKEさんがレディオヘッドとソロプロジェクトで、楽曲的な最先端とかレコーディングやミックスの定義とかではなく、音楽産業という枠組みの中での様々な定義付けに必死に取り組んでいるような気がします。過去Internetで行われた「In_Rainbows」のセリに近いユーザー値決め配信や、今回のREMIXにしろ、大きな道筋を作ろうとしているのは確かです。このアルバムの意味合いは、レディオヘッドのパッケージに対しての取り組みとは違ってもっと作品目線での取り組み、つまり極め通例なやり口な感じがします。THOM_YORKEさんが起用したクリエイターは、まぎれもなく超一流のアイデンティティを持つアーティスト達で、そんな人達がTHOM_YORKEさんの作り出した作品に手を加えるという事は、それを聴くユーザー側からすれば感激に至るものであります。Fourtetが「Atomos_For_Peace」のリミックスを手がけたということは、このアルバムの中で大きな意味をもち、天才と天才達が交じり合うことによって作り出される世界観は唯一無二の存在感を放っています。このアルバムの楽曲名を挙げると、1曲目「And_It_Rained_All_Night」(Burial_Remix)、2曲目「The_Clock」(Surgeon_Remix)、3曲目「Harrowdown_Hill」(The_Bug_Remix)、4曲目「Skip_Divided」(Modeselektor_Remix)、5曲目「Atoms_For_Peace」(Fourtet_Remix)、6曲目「Cymbal_Rush」(The_Field_Late_Night_Essen_Und_Trinken_Remix)、7曲目「Black_Swan」(Cristian_Vogel_Spare_Parts_Remix)、8曲目「Analyse」(Various_Remix)、9曲目「Black_Swan」(Vogel_Bonus_Beat_Eraser_Remix)の9曲全てが当然リミックス曲です。これらの作品は数々のアーティストに楽曲のアイデンティティをゆだねているにもかかわらず、THOM_YORKEさんが本来もっているであろうと想像できる世界観としての「音世界、音色、音空間」が根底の部分でリンクしています。

2008年6月2日月曜日

Yuuko_Andou

1曲しか聴かないと分からないけれど、アルバムで聴くと安藤祐子という人は曲によってくるくると声の印象が変わる人だと気づきます。5月21日に発売したアルバム「Chronicle」でも、「感謝」について歌うピンと張りつめた1曲目からはじけた感じの2曲目に移るときなど、すごいギャップを感じます。本来曲によって声の印象が変わるというのは歌い手にとってはあまりいいことではないはずです。それはつまり自分の声を持っていないことを意味するからです。安藤祐子さんという歌い手のすごいところは、曲によって声の印象が変わることが欠点になるどころか、むしろ彼女の表現者として誠実な姿勢、フェアさのあらわれだと感じられるところです。表現世界の真ん中に自分という存在をおいていない、かといって中心がないのではなく、不安定に揺れながら少しでも確かなものにちかづこうとしている。そんなアート色の強い女性シンガーです。アルバム「chronicle」の曲構成は、1曲目「六月十三日、強い雨」、2曲目「HAPPY」、3曲目「水玉」、4曲目「美しい人」、5曲目「海原の月」、6曲目「お祭り~フェンスと唄おう~」、7曲目「Hilly Hilly Hilly」、8曲目「鐘が鳴って門を抜けたなら」、9曲目「再生」、10曲目「たとえば君に嘘をついた」、11曲目「パラレル」、12曲目「ぼくらが旅に出る理由」、13曲目「さよならと君、ハローと僕」の全13曲です。今までの作品にはない突き抜けたテンションのシングル「パラレル」に顕著なように、歌うことが、自己表現でなく歌を届けるための行為に変わったように思います。独特の子供っぽい歌いまわしはほとんど姿を潜め、それに変わって、生が脈々と息づいている凛とした声が迷いもなく、駆け引きもなく放たれています。歌詞も、「いつも逢いたい」、「君がすき」などシンプルで根源的なフレーズが多く、ストレートな気持ちをストレートに歌うことを知った今作には、遠まわしな愛情表現を取り払ったようなさわやかな楽曲がそろっています。安藤祐子さんの本音というか、純粋な部分にもっともっと吸い込まれていくような一枚です。

2008年6月1日日曜日

Ikuko_Harada

クラムボンの原田郁子さんのソロ第2作の「ケモノと魔法」。先日発表されたミニ・アルバム「気配と余韻」収録曲の別テイクが2曲収められています。プロデュースは同じで、エンジニアのZAKと原田さん自身で、おそらく同じレコーディング・セッションの流れで制作されたものでしょう。サウンド・コンセプトも「気配と余韻」の世界観をさらに突き詰めたものになると言ってよく、初回盤はブック形式になっており、原田さん自信の描いたイラストがえがかれています。クラムボンのハイテンションなツアーすべてを出しつくし、抜け殻のようになってしまったという原田さんは、ゆっくりとリハビリを重ね、さながら冬眠から目覚めるがごとくこのアルバムを作ったのでしょう。原田さんのピアノ、ボーカルと、生ギターなど最低限の伴奏楽器だけが鳴ります。全体に流れるトーンは決してにぎやかなものではなく、むしろひんやりとした孤独感がが強く漂っています。空間を生かしたシンプルにして奥行きのある音像は、いかにもZAKさんの仕事らしいと思います。パーティーのあとの静寂と余韻、朝のけだるい空気の中をゆっくりと立ち上るコーヒーの香のような日常感覚。その中心で鳴るのはピアノです。3年前のソロ第一作のタイトルが「ピアノ」で、本作には原マスミさんのカヴァー「ピアノ」が収められています。これらはすでに原田さんのライブでは何度も演奏されている曲で、原田さんはピアノという楽器に思いいれがあるのでしょう。それは、原田さんの音楽家としての出発点は歌ではなく、ピアノにあるからです。マル・ウォルドロンに影響をうけたという原田さんのピアノ・プレイは、ここでは決して声高ではなく、飾り気もありませんがただ深いニュアンスを含んでおり、それは彼女のヴォーカルと完全に見合っています。原田さんの声は、声量がないのでミックスの段階でかなりレベルを上げなければ、喧噪なノイズの中に埋もれてしまうのですが、彼女は無理をせず、自然に歌います。その周囲で鳴るすべてがひっそりとしたつぶやきのような原田さんの声に優しく寄り添っていて、ピアノとのバランスは完璧です。しかし、これはクラムボンでの原田さんがあってこそここで魅力的な存在に写ることを覚えておきたいものです。

2008年5月31日土曜日

GOING_UNDER_GROUND

GOING_UNDER_GROUND」のベスト盤「COMPLETE_SINGLE_COLLECTION1998-2008」が発売しました。センチメンタルな世界観が魅力のGOING_UNDER_GROUNDですが、この年代順のシングルコレクションを聴くと、音楽の透明度がどんどん高くなり、洗練されてきていることがわかります。聴いているとノスタルジックな気持ちで心が満たされてしまうボーカルの松本素生さんの軽やかで伸びのある歌声はどの時代にも変わることなく響いているのだと再確認できるはずです。もともとは幼馴染である彼らがバンド仲間となっても信頼関係を築きつづけているからこそ、彼ら特有の楽曲に内包される甘酸っぱさが存在しているのだと思います。収録曲はディスク1が「チェロ」、「思春期のブルース」、「桜が咲いたら」、「ロマンチック街道」、「アロー」、「グラフティー」、「センチメント・エキスプレス」、「ミラージュ」、「ランブル」、「ダイアリー」、「トワイライト」、「ハートビート」、「サンキュー」が入っており、ディスク2が、「同じ月を見ていた」、「アゲハ」、「STAND_BY_ME」、「きらり」、「トゥモロウズ ソング」、「Happy_Birthday」、「VISTA」、「ハミングライフ」、「胸いっぱい」、「TWISTER」、「さかさまワールド」、「初恋」、「My_Treasure」が収録されています。青春時代をそのまま切り取って、キュンと切なくなる歌詞とメロディーをギターポップな楽曲で聴かせる彼ら、2006年にベスト盤がリリースされていますが、今回は1998年のインディーズデビューから10周年を迎える彼らの軌跡をたどるようにシングル・コレクションがリリース順に並べられています。こうして順番に聴いていくとかれらの成長過程がはっきりと分かるからおもしろいですね。中学1年生のときに結成されたバンドは、長年の友達だからこそ可能なバツグンのコンビネーションを持ちながら、しかしそれだけに甘えず、客観性を持ってバンドとして成長してきました。だから彼らの場合何度も原点回帰をしながら着実に階段を登っているのが分かります。10年間の活動の結果となる今回のベスト盤、ひと段落としてはいいタイミングだと思います。

2008年5月30日金曜日

Mastering

SACDとDVD-Audio/Videoのマスタリングをする際の話です。通常のCDのマスタリングと最も大きくことなる点は、全体の音量を抑えて控えめにする必要があるということです。CDのようにレベルを上げるのは、これらのメディア向けの処理としてはオススメできません。それはいずれのフォーマットも、マスタリング処理の後で行われるオーサリング処理でさらなるエンコーディング作業が行われるからです。そこでの作業は、いわゆる音楽CDに施すようなレベル処理だけを目的としたものではありません。当然、DVD-Videoの方がよりその傾向は強くなり、ゆえにレベルを控えめにしておかなければ、マスタリングしたばかりのオーディオ素材には存在しなかった歪みやノイズが、オーサリングのプロセスで加わるリスクが高くなってしまいます。実際、SACDの場合、過大レベルを理由にエディット済みのマスターが却下されることや、最終製品のサウンド・クオリティが台無しになってしまうことも多々あります。しかし、通常以下に抑えるべきレベルの幅はわずかで、その差はそれほど大きくはありません。また、下げるべきdBの幅を数字で正確に特定できるようなものでもありません。しかしそれでも最終的に最良の結果を得るためにはマスタリング段階で音量をやや控えめにしておいたほうがいいと言えます。この点を除けばそのほかのアプローチにCDの場合と大きな違いはありません。また、サウンドの処理を終えたあと、リファレンスをクライアントに確認していただくときのフォーマットに関してもCDと異なることがあります。まず、DVDに関しては、DVD-Audio/DVD-VideoでもDVDディスクにリファレンスを制作することが可能なので、プロジェクトに応じていずれかのフォーマットでリファレンス・コピーを作成します。ただし、ビットやサンプリングレートをリクエストされた場合は別です。ちなみにアナログ盤の場合、ラッカー盤に溝を刻んでいく、カッティングという工程がありますが、自分でアナログ盤をカッティングすることはありません。しかしカッティングするための準備としての音作りをすることはあり、その場合、全体としてはCDと同じアプローチをとりつつも、最終的なリミッティング処理を控えめにし、また全体的な音量も控えめにするのがベストです。

2008年5月29日木曜日

BOSE Lifestyle

スペースの制約を受けず自由にセッティングできるシンプルでコンパクトな設計が好評のBOSEのホームシアターシステム「Lifestyle」シリーズの上位モデル「Lifestyle V30」がすごいです。BOSEは高い技術とトップレベルのシェアを誇る総合音響メーカーです。DVDやBD、デジタル放送など、映画や音楽を楽しむデジタルソースはいくつかの規格が存在します。一方で、モノラルの名画やステレオサウンドを視聴する場合、これまでのサラウンドシステムでは、たとえ5つのスピーカーがあっても、リアスピーカーからモノラルで再生されたり、全く音が鳴らなかったりといった感じでした。しかしその課題を解決するのが、BOSE独自の技術「Bose_Digital」です。AACやドルビーデジタル、dtsなどのサウンドフォーマットは世紀のアルゴリズムでデコーディング、一方、モノラルやステレオのアナログソースは一旦デジタル変換し、台詞はセンターチャンネルに、歓声や残響音はサラウンドチャンネルへと分配され、自然な5.1chサウンドで再生します。これらの迫力ある重低音や表現力豊かな音声再生を巨大なスピーカーシステムではなく、BOSEの長年の研究で到達した小型の高性能スピーカーで実現した「ジュエルキューブ」と名づけられたサテライトスピーカーとセンタースピーカーは、コンパクトな銀色のボディ、音質だけではなく、部屋のインテリアにも調和するようにデザイン面にも配慮しています。また、重低音の再生を担うスーパーウーファーは、人間が方向性を感じない低音のみを再生するので、室内のどこにでも置けて、設置場所を選びません。さらに、テレビやレコーダーなどのコンポーネントを接続するメディアセンターは、外部機器とともに、ラックなどの目立たない場所に配置することもできます。機能面でも、外部機器や映像、音源ソースごとに行う複雑な設定が不要です。また、入力された映像フォーマットを上位のフォーマットに変換して出力するアップコンバージョン機能や、映像信号をより良い解像度に変換し、HDMIでHD映像出力するアップスケーリング機能を搭載し、サウンドだけではなく映像もグレードアップできます。

2008年5月28日水曜日

Bouon

遮音と吸音の違いについてご存知でしょうか。本来、遮音と吸音は別物で、遮音は読んで字のごとく、とにかく音をシャットアウトして内からも外からも音を伝わらなくすることです。遮音率が高いほど音の漏れが小さくなります。遮音は物理的に壁を厚くするのが効果的ですが、その厚さに比例して工事費用も高くなります。しかも壁を厚くすると当然部屋のスペースが狭くなってしまいます。一方、吸音は音響調整の一部です。なのでいくら吸音をしても遮音はできません。ではなぜ吸音をするかというと、例えば遮音するのに1メートル厚のコンクリートで囲った部屋を作ったとします。遮音はできても中はコンクリートによる反射の嵐でエコー・ルームの状態です。反射を調整しないと使い物にならないので、音響調整を含めて吸音するわけです。より良い吸音の音量調整をしようと思うと出費も増え、それに比例してどんどん部屋が狭くなってしまいます。ただし、遮音と吸音は密接な関係にもあります。部屋の中での音の反射が大きいと、同じ遮音率の部屋でも漏れる音が大きくなり、反対に吸音がしっかりしていると同じ遮音率でも漏れが小さくなります。これらを含めて50万円くらいからできる防音工事を紹介してみます。まず壁ですが、本格的にやる場合には重量ブロックや2重3重の浮き壁で遮音するのですが、安く行うために、壁に直接12mm厚の石膏ボードと合板を貼っていきます。もし、よりよくしたい場合は直接壁に貼らず、角材を間に挟みこむという手もあります。要は元壁に直接振動が伝わらないようにするのが効果的です。その後で遮音マットを貼りますが、この順番は最終的に吸音材を取り付けることを想定しています。吸音材をつけない場合は、合板を最も元壁がわに、次に遮音マット、そして石膏ボードで最後に見栄えを良くするために壁紙を貼るといいでしょう。吸音材を使う場合は表面に化粧地が張ってあるのでそのまま壁に取り付けても様になります。施工はいたって簡単で、専用のジョイントを壁に取り付け、そこにはめこんでいくだけです。天井はジョイントだけだと落ちてしまうので、ボンドなどを要所要所で使って取り付けます。こうするだけでかなりの防音効果を得られ、きっと近所からの苦情も少なくなるでしょう。

2008年5月27日火曜日

AKAI_PROFESSIONAL_MPC

MPC感覚で操作が可能なHIPHOP/R&B専用のリズム・マシンがXR20が登場しました。本機はMPC500より若干大きいのですが、軽くコンパクトで、単三電池6個で作動します。XR20はリズム・マシンであり、サンプリング機能はありません。ただ、一度でもMPCを使ったことがある人ならすぐに理解できるような作りで、電源を入れるだけですぐに音を出すことができます。音色はライブラリー「LA Riot」などで有名なCHRONIC_MUSICがデザインを担当したHIPHOP/R&B系の、24ビットの高品質な音色が700以上も収録されています。音色は、ドラム、ワンショット、シンセの3パートに分かれており、これらが1つのパターンにアサインされる仕組みです。そのパターン自体にA/Bのバリエーションが設定され、素早く切り替えることも可能です。12個のパッドをたたいて打ち込む感覚はまさにMPCで、ノート・リピート機能で連打も可能ですし、タップ・テンポで、DJがプレイしている曲に合わせるのも簡単です。さらにフット・スイッチを接続して、スタート&ストップ、タップ・テンポ、パターンのバリエーションもコントロールできます。それ以外にMIDI入出力、ステレオ、ヘッドフォン、AUX出力やオーバーダブ用のマイク入力まで装備しています。さらにXR20にはMPCにはない機能があります。それはパッドにバックライトがついており、トリガーされたパッドが点灯するので、暗いブースなどではとても便利です。また、パターンプレイ時も、プレイ中のパッドパターンや次にプレイされるパッドが点灯します。メインディスプレイも綺麗でとても視認性がいいので、まさにクラブなどの暗いところでの使用を前提としたデザインであるといえるでしょう。音色のエディットはパラメーターが簡略化されており、ボリューム、パンニング、チューニング、エンベロープのアタック、ディケイ、リリース、フィルターだけです。シーケンスのエディットも各パッドのボリュームとトリガーするタイミングの編集のみなので、こちらは少しもの足りないかもしれません。最近はモバイル楽器が増えてきたように思いますが、やはりハードウェアは触る楽しみがあっていいと思います。今後はテクノバージョンなんかもリリースされたらおもしろいですね。

2008年5月26日月曜日

lalah_hathaway

歌姫Lalah_Hathawayのアルバム、「セルフ・ポートレイト」が発売中です。今回のアルバムは、歴史あるレーベル、STAXからのリリースとなります。。STAXといえば、メンフィスで人種の垣根を越えて良質なブラック・ミュージックをリリースしていたレーベルとしてその名前を知られていましたが、新生STAXはジャズ・レーベルのCONCORD_RECORDSの傘下となり、さらにジャンルの垣根も越えた形で制作されることとなったこの新作は、ソウル、R&B、ジャズ、フュージョン、etc・・あらゆる音楽ファンに通じる大人のアルバムとなりました。Lalah_Hathawayの歌声の特徴は、低音で力を抜いたときのハスキー・ボイスが、父親であるDany_Hathawayさんそっくりで、彼のファンはどきっとすることでしょう。強くうたったときは母性とも思わせるような彼女の深い愛に包まれるような感じで、心地よく癒されます。アルバム12曲全体がスローテンポ~ミドルテンポの曲で、彼女の声質にあった楽曲となっており、ギターのふわふわ感とブラスのソフトな音色&リズム感は、メンフィス時代のSTAXサウンドを彷彿とさせます。ドラムとベースはワイドレンジでパンチがあり音質も良く、オーディオファンも楽しめることでしょう。これらの楽曲は日本人ではまねの出来ないようなタイム感で演奏されているところがいい味をだしています。曲は1「レット・ゴー」、2「ブリーズ」、3「オン・ユア・オウン」、4「フォー・オールウェイズ」、5「ザット・ワズ・ゼン」、6「ラーニング・トゥ・スイム」、7「ワン・マイル」、8「リトル・ガール」、9「ネイキッド・トゥルース」、10「ホワット・カムズ・アラウンド」、11「UDO」、12「トラジック・イネヴィタリティ」の12曲収録されています。プロデューサーにはレイラ・ハサウェイさん、レックス・ライドアウトさん、テラス・マーティンさん、パウラ・ガリターノさん、ケネス・クラウチさん、マニュエル・ヒューガス&ウィボウド・バーケンスと、沢山の人が担当しております。梅雨の時期はこういった感じのまったりとした音楽を聴いて室内でのんびりとしたいものですね。

2008年5月25日日曜日

FOO_FIGHTERS

激しく思いギターサウンドと、感情をすべて発散させるようなボーカルを武器に、アメリカの国民的ロック・バンドにまでのし上がったFOO_FIGHTERS。2008年のグラミー賞においては「最優秀ハード・ロック・パフォーマンス」、「最優秀ロック・アルバム」の2部門を受賞するなど、もはや説明不要のビッグネームです。そんなスーパーバンドが、若手パンク・バンドのハイファイ・ハンドグレネイズと共に4月13日から16日にツアーで来日していました。13日には幕張メッセでの公演となりました。幕張メッセは、海浜幕張駅から徒歩約10分のところに位置する国際展示場、イベントホールです。毎年夏に開催されるSUMMERSONICの東京会場として使用されることでも知られ、大規模な来日コンサートの話題が尽きない場所です。この日はまずはハイファイ・ハンドグレネイズのアクトから公演はスタートです。ツイン・ギターが子気味よくリズムを刻む、メロディアスパンクのサウンドが、オーディエンスのテンションを高めます。程よく音が吸音された会場は、低音が暴れることもなく、スピーカーのスピード感も最適です。いい雰囲気でステージが終わると、次はいよいよFOO_FIGHTERSが登場です。この日のセットリストは1「レット・イット・ダイ」、2「ザ・プリテンダー」、3「タイムズ・ライク・ジーズ」、4「ブレイクアウト」、5「ラーン・トゥ・フライ」、6「チア・アップ・ボーイズ」、7「ディス・イズ・ア・コール」、8「スタックド・アクターズ」、9「スキン・アンド・ボーンズ」、10「マリーゴールド」、11「マイ・ヒーロー」、12「コールド・デイ」、13「バット、オネストリー」、14「エヴァーロング」、15「モンキーレンチ」、16「オール・マイ・ライフ」です。このセットのラストの「オール・マイ・ライフ」のイントロを告げるギターが鳴ると、観客はこの日一番の歓声でその興奮を表現していました。曲のさびでは、1万人ものオーディエンスが一斉にジャンプし、幕張メッセが揺れました。会場にいた誰もがロックの真髄を体感したといった感じです。ツイン・ギターで音の壁をつくりながらも、デイブ・グロールさんのシャウトをくっきりと引き立てたクリアなサウンドが、最強のライブバンドの音をまさに直接ステージに伝えていました。

2008年5月24日土曜日

MIDI_Controller

日本を代表するブランドであるYAMAHAが強力なUSB/MIDI_Controllerを発表しました。今回発表となったのはKX25(25鍵)とKX49(49鍵)とKX61(61鍵)の3種類で、使用環境に合わせて鍵盤数を選べるラインナップとなっています。また、ほすとDAWとして「STEINBERG Cubase AI4」がついており、ソフトとハードの間での高い親和性を実現しています。ルックスはYAMAHAのシンセ、MM6系統ですが、やはりコントローラーなので4.3kgとかなり軽量です。ちょっとした作業スペースのレイアウト変更においても小回りが利いて便利です。鍵盤上のコントロール・パネルは、各種ボタン類のほかに、4つのコントロール・ノブとLCDディスプレイを装備しており、全体的にすっきりまとまりつつも、トランスポート、モジュレーション・ホイールなど、使用頻度の高い重要な機能は使いやすいように1機能1ボタンを基本に配置されています。鍵盤はさすがYAMAHAともいうべき感触で、離鍵時の戻りも非常に心地よい製品です。べロシティ・カーブは「VELOCITY_CURVE」ボタンで瞬時に切り替えられる5種類の基本設定のほか、30種類のVSTiに最適化されたベロシティ設定も用意されています。これは、同じベロシティでもソフトごとによって異なるレスポンスを考慮し、ベロシティ・カーブをチューニングしたものです。これらによって、すべて自分の感覚やタッチのクセにベロシティ・カーブをアジャストできます。ほかにも特筆すべき機能、アルペジオ機能の充実ぶりは目をみはります。「ARP ON/OFF」のボタンで簡単に起動するので使い勝手がよく、シンセ・リードはもちろん、ドラムやベースにも対応した342種類の基本アルペジオ・パターンに加え、「UP」「DOWN」など6種類のバリエーションを内臓。さらに「ARP EDIT」ボタンを押せばエディット・モードに切り替わり、ゲート・タイムやスウィングなどの細かい設定、編集もできます。使い始めてすぐにその使いやすさが体感できるような高い操作性を実現しているKXシリーズは、単なるUSB/MIDI_Controllerの枠を超え、フレーズのアイディア・マシンとしても使うことができます。

2008年5月23日金曜日

SHIBUYA KABUTO

渋谷区の道玄坂周辺はライブ・スペースの激戦区です。そのためこの周辺のライブハウスなどのお店はそれぞれはっきりした特色を強く打ち出しています。道玄坂の通り沿いにある「SHIBUYA_KABUTO」は、収容人数が約130人、地下1階に位置するフロアは「壁には一切張り紙をしない」という店長の言葉に表されるように、清潔感であふれています。音楽ジャンルにとらわれないライブと、破格といっていいほどのホールのレンタル料とが相まって、若いアマチュアバンドも多く出演するのもこのライブハウスならではです。店長の野田氏は、「誰でもステージに立てるのはよいことだと思う」と語り、リハ待ちのミュージシャンたちにも話しかけるような気さくな人です。また、自身もプロのミュージシャンとして活動し、さまざまなステージを経験してきたことから、ライブ・ハウスのサウンドについてもこだわりを持っているようです。一番重要視しているのは歌が前に出るような音作りだそうで、クリアなサウンドを出すためにメインスピーカーには「JBL_SRX725F」とサブウーファーの「SRX718S」が重ねられています。また、ライブ・ハウスのサウンドにはリバーブが大事で、ボーカルのブレス時にもウェットな感じが伝わるようなリバーブ感を出せるようにエンジニアさんに指示しているそうです。PAの現場には日本でいち早く導入したという「YAMAHA LS9-32」を中心に、アウトボード・ラックにはYAMAHAのグラフィック・イコライザー「Q2031A」やマルチエフェクターの「SPX990」がシンプルにセットされています。PAの方がいうには大抵はメイン・コンソールである「YAMAHA LS9-32」内のエフェクトを使用し、ギターやボーカルなど、「SPX990」を使用することもあるそうです。基本的にはどのトラックもフラットな設定を心がけて音作りにかんしては出演者にまかせているようです。そうしないと全出演者で音が同じになってしまいますからね。この「SHIBUYA_KABUTO」の音に対するこだわりが大いに感じられます。

2008年5月22日木曜日

THE_RAMONES

THE_RAMONESはニューヨーク市クィーンズ地区の中流階級で育った、ドラマーのジョーイ・ラモーンことジェフリー・ハイマンさん、ギタリストのジョニー・ラモーンことジョン・カミングスさん、ボーカル兼ベーシストのディー・ディー・ラモーンことダグラス・コルヴィンさんの3人が結成したバンドでした。1974年、後のトミー・ラモーンことトム・アーデライさんをマネージャーに迎え、本格的なバンド活動を開始し、初のギグを同じ年の3月30日にニューヨークのパフォーマンス・スタジオにて行うと、その数ヶ月後にはジョーイがバンドのヴォーカルを務めることになり、その後釜にトミーがドラマーとしてバンドに正式加入しました。こうして4人編成となったTHE_RAMONESは、その年の夏にはニューヨークのローワーイーストサイドにあるパンク専門のライブ・ハウスCBGBの常連バンドとなるまでに成長し、2分弱の短い曲を早々と演奏しまくる1セット20分くらいのギグを連日連夜こなしていました。その結果彼らを信望する熱狂的なファンの数は日増しに増え、バンド結成翌年の1975年にはサイアー・レコーズとの契約を果たしました。そして翌年の1976年にはデビュー・アルバムである「ラモーンズの激情」をリリースするなど、THE_RAMONESにとっては躍進の年となりました。そのアルバムは全米チャートには惜しくもランクインできなかったものの、多くの評論家たちから高い評価を受けています。さらに翌年、セカンド・アルバムである「リーヴ・ホーム」をリリースし、シングルカットされた「Shina_is_a_Punk_Rocker」が全英シングル・チャートのトップ40に入るヒット曲となり、アルバムもアルバム・チャートの48位に入るほどの健闘を見せました。しかし、母国アメリカでの人気はいまひとつ盛り上がらず、サード・アルバム、フォース・アルバムを発表してからもその状況が変わることはありませんでした。その後THE_RAMONESはプロデューサーとしてフィル・スペクターさんを迎えて5作目となる「エンド・オブ・ザ・センチュリー」を制作しました。このアルバムは全米チャートの44位に入り、彼らはいままでにない成功を手にしました。しかしこのアルバムの商業的な成功の代償として、彼らの音楽に対する評論家の評価は下がり、熱狂的なファンによるカルト的な人気も薄くなってしまいました。

2008年5月21日水曜日

TASCAM

小型パワード・モニターにTASCAMから低価格の新製品「VL-A4」が発表されました。この製品はコンパクトなサイズといい、3.6kgという重量といい、Desk_Top_Musicで使うにはちょうどいいです。デザインは落ち着いており、背面にある入力端子はSLRとTRSフォーンのコンボ・ジャックが1系統のみとシンプルです。LEVEL_CONTROLLつまみもありますが、これは感度調整のようなもので、絞りきっても音量はゼロになるわけではありません。このパワード・スピーカーはサイズの割りには重心が低く、中低域がしっかりしているといった感じです。カタログ・データでは70Hzまでとなっていますが、シンセサイザーや打ち込みの重低音もしっかりと輪郭がわかります。これはこのサイズのスピーカーとしては特筆すべき点でしょう。ハイエンドもしっかりあって、シンバルなどの金物も倍音がよく聞こえます。ただし中高域の色づけは少なく、フラットなので聴いた瞬間の派手さはありません。中低域の出音が充実していることと26kHzのハイエンドまでを綺麗に再生してくれるのがこのスピーカーの特徴です。また、再生音量をぎりぎりまで上げたり下げたりしても全体的なバランスがあまり変わらない点も優秀です。ホームユースのモニターとしては十分活躍してくれるでしょう。尚、バスレフ仕様なので設置スペースには気をつけないといけません。側面、背面ともに壁から60cmくらいは離して設置しないと音がぼけるといった現象が起こります。実際の音楽制作の現場で使用すると、中高域の特性がフラットなので、リバーブの設定が多めになったりしますが、これはこのスピーカーに対する慣れの問題です。EQやコンプをかけてみても正確に音が変化するので音作りの際に間違った音を作ってしまうことはまずないでしょう。普通の小型スピーカーではよく500Hz辺りから下が不正確になってしまうことがあるのですが、このスピーカーに限ってそういったことはありません。これらを踏まえてこの「VL-A4」はホームスタジオでのメイン・モニターとして使うのにはとても適しています。なによりもこのサイズでしっかりと低域が聴き取れるのが魅力です。打ち込みから生音の録音まで、オールジャンルで使えるスピーカーといえます。

2008年5月20日火曜日

Strings

Stringsとは一般的に、バイオリン、ビオラ、チェロなどの「バイオリン属」と呼ばれている楽器にくわえて、コントラバスも含めた弦楽器を総称した呼び方です。バイオリンは、主に高域を担当する楽器で、きらびやかな音色が特徴です。ビオラはバイオリンよりも一回り大きく、音域もバイオリンよりも低い楽器です。主に中域から高域を担当し、ビオラ独特の音色ももっています。バイオリンやビオラは肩で楽器を支えますが、チェロは床に置いて演奏する楽器です。音域はビオラより1オクターブ低く、柔らかい音色です。コントラバスはエレキベースと同じ調弦で、最低音域を担当します。シンセサイザーやサンプラーなどにも必ず入っているおなじみの音色ですが、本物の楽器はいずれも弓かあるいは指で演奏され、奏法によっては単音だけでなく和音を奏でることもでき、2音鳴らすことをダブル・ストップ、3音ならすことをトリプル・ストップと呼びます。エレキギターのような弦楽器と最も違う点は、いつまでも音を持続させることができるところです。この楽器の種類は擦弦楽器といわれ、馬の尻尾の毛で作られた弓で弦をこすることによって、音に大小をつけながらいつまでも引き続けることができるのです。一言でStringsといっても、用いられる楽器の数はアレンジに応じてさまざまです。最も少ないのはコントラバスを除いた各楽器が1つずつの弦楽三重奏や、それに加えてバイオリンが2つ使われる弦楽四重奏などです。PopMusicでは各楽器に複数の人数がいて1つのフレーズをユニゾンで演奏することによって豊かな響きを生み出す編成が多く用いられます。また、実はバイオリンは1stと2ndに分けられ、異なるフレーズを演奏する形が一般的です。PopMusicでは1st、4人2nd、4人など多くても一つのパートに10人程度ですが、オーケストラになると1stバイオリンだけで20人もいるような編成も存在します。ちなみにPopMusicでは少ない編成で2回重ねて録音することで人数感を演出するという手法もよくつかわれます。また、コントラバスはエレキベースと役割が似ているため省略されることが多いのはそういった理由からです。そのほか、ストリングスの広がり感を演出するために欠かせない要素が楽器の配置です。向かって左から1stバイオリン、2ndバイオリン、ビオラ、チェロといった並びが一般的です。

2008年5月19日月曜日

ALLEN&HEATH

DJ_Mixerを送り出しているメーカーとしては後発組にあたるものの、高音質や高耐久性、しっかりした基本設計に加え、システム構築も柔軟に対応できることで音にうるさいクラブピープルやDJ達の信頼を勝ち取ったALLEN&HEATH。このメーカーのDJ_Mixerシリーズに、USBオーディオ・インターフェースを搭載した新製品が登場しました。ノートパソコンを活用するDJが増えている近年では非常に活用できそうなDJ_Mixerだと思います。大まかなレイアウトは非常にベーシックなもので、DJをしたことがある人ならすぐに使うことができます。Ch1/4はフォノ入力とライン入力を切り替えることができ、ch2/3はライン入力、ステレオ2系統から1系統を選択することができます。各チャンネルには3バンドのイコライザー/アイソレーター、X:FXセンドつまみなどが並んでいます。X:FXつまみはリア・パネルのX:FXセンド/リターン端子に接続した外部エフェクターを使用する際にセンド/リターン・レベルをつまみ一つで調整できます。肝心要となる音質のほうは、一言でいうととてもハイファイです。中域、低域はしっかりと腰のある音で、広域は綺麗に伸びるレンジの広さをうかがわせる音。またイコライザーはブーストとカットのカーブが違うのが大きな特徴でしょう。ブーストする時は、ハイハットやベースなど、現場において狙ったところの音を持ち上げられる感じです。一方、カットの時はアイソレーターになり、かなりばっさりと音がカットできるのでとてもミックスがしやすくなります。また付加機能として本体の右側部分にはフィルターセクションを搭載しており、各チャンネルのFILTERボタンで信号を送ることができます。HPF、BPF、LPFの3種類で、効き具合はとても自然な感じです。これはVCFタイプのアナログ・フィルターで、刺激的ながらも音楽的な温かみが感じられます。そしてUSBオーディオ・インターフェースは2イン/2アウトの仕様です。基本的には専用のアナログ入出力端子であるUSB_AUDIO IN/OUTを介して各入出力端子とケーブルを接続するという方式です。このUSBにはいろいろな使い方があるようで、Mixerからの録音はもちろんのこと、コンピューターのプラグインを外部エフェクトとしてDJMixerの音にかけることもできてしまいます。このUSBインターフェースを装備したこれからのDJ_Mixerのスタンダードとなるかもしれませんね。

2008年5月18日日曜日

Portishead

1990の始めの頃、アメリカでHipHopブームが起こりそれはイギリスにも飛び火し、また定着もしていました。当時不動の人気を誇っていたCOLDCUTがよりイギリスらしい独特のレーベル、「NINJA_TUNE」を設立したのが1990年。彼らは次第にUK_HIPHOPと呼ばれるブレイクビーツを生かした、アブストラクトでとても実験的なHIPHOPを紹介していくようになりました。なかでもダウンテンポで劣化したブレイクビーツを主体に、ダウなーなサンプルを組み込んだ独特の音楽性は、そのサウンドのイメージからトリップホップと呼ばれるようになりました。そんな中、1994年に突然現れたのが、プログラミングからキーボード、ドラムまでこなすジェフ・バーロウさんとシンガーのべス・ギボンズによるPortisheadです。彼らは瞬く間に全世界の話題となり、1991年にデビューしたマッシブ・アタックや、その初期メンバーであったトリッキーらと共に、活動の拠点がブリストルであったことから、その音楽性はブリストル・サウンドと呼ばれるようになり、一気に世界的にメジャーなものになりました。メンバーも含めて誰もが想像していなかったこのメガヒットは次の作品へのとてつもないプレッシャーを生み、過酷なプロモーションで体調を崩したギボンズさんは、一切のインタビューを断ると宣言するほど追い込まれてしまいました。しかし、その後ギタリストのエイドリアン・アートレイさんも加わり、1年あまりかけて制作され、1997年にセカンド・アルバムである「Portishead」を発表しました。こちらもファースト・アルバムに劣らない傑作でした。こちらも大ヒットとなり彼らはワールド・ツアーを行いました。ニューヨークでは、何とニューヨーク・フィルハーモニックを従えライブを行い、1998年にその模様をビデオ・CDで発売しています。しかし、プレッシャーと戦いながら続けてきた活動にすっかり疲弊してしまったメンバーは、その後の展開を考える以前に休息を必要としていました。しかし、10年間もの沈黙を破ってついにサード・アルバムである「サード」が発表されたのです。このアルバムは彼らが何よりすぐれたバンドであることを感じさせてくれる仕上がりとなっています。

2008年5月17日土曜日

The_Brian_Setzer_Orchestra

The_Braian_Setzer_Orchestraの名盤中の名盤である「The_Dirty_Boogie」は、1998年に発表されました。この作品はきわめてユニークで独創的で、ポップで、そして熱狂的に盛り上がる音楽ばかりを詰め込んだアルバムです。かつてニュー・ウェイブ、パンクシーンの台頭に伴い、より若くて自分達の世代のオリジナリティーを求めて血気盛んに騒ぎまくっていた若者たちに対して50年代のロカビリーサウンドをぶつけて80年代のムーヴメントとしたのがBrian_Setzer率いるStray_Catsでした。Brian_Setzerは今度はそのロカビリーよりもさらにさかのぼってピッグ・バンド・ジャズ、スウィング・ジャズをロカビリー魂を吹き込んで90年代に蘇えらせました。The_Braian_Setzer_Orchestraのメンバーは、ギターとボーカル担当の「Brian_Setzer」さん、サックス担当の「Ray_Herrmann」さん、「Tim_Misica」さん、「Steve_Marsh」さん、「Rick_Rocci」さん、「Don_Roberts」さん、トランペット担当の「Dan_Fornero」さん、「John_Fumo」さん、「Kevin_Norton」さん、「Dennis_Farias」さん、トロンボーン担当の、「George_McMullen」さん、「Michael_Vlatkovich」さん、「Mark_Jones」さん、「Robbie_Hioki」さん、ベース担当の「Ernie_Nunez」さん、「Tony_Garnier」さん、ドラム・パーカッション担当の「Bernie_Dresel」さんからなります。すでにこの作品の前2作でライヴにおける圧倒的な支持をとりつけていたThe_Braian_Setzer_Orchestraはこの作品により、レコードセールスの面でも大躍進を遂げ、98年10月に全米アルバム・チャート第9位を獲得しました。同時にチェリー・ポッピン・ダディーズや、ビッグ・バッド・ヴードゥーらのネオ・ビッグ・バンドも注目を集め、一つのムーブメントとなりました。このビッグ・バンド・サウンドは、まさしくアメリカン・オリジナルであり、世代を超えて受け継がれてきた伝統の音楽です。昔の世代には懐かしく、若い人には新鮮。こうして音楽のムーブメントはサイクルを描いていくのでしょう。

2008年5月16日金曜日

SUMMER_SONIC_08

今年ももうすぐSUMMER_SONICの季節となります。今年はSUMMER_SONIC_08と銘打ち、8月9日と10日ですが、なんと今年からはシーサイド・ヴィレッジでテントで宿泊することができてしまうのです。キャンプ好きとしてはこれは見逃せないところではないでしょうか。チケットは1日券が15500円、2日券が28500円となっているのですが、どっちを買うか迷うところであります。泊まり目的なら間違いなく2日券ですが、果たして付き合ってくれる人がいるかどうかが問題ですね。LINEUPは9日のMARINE_STAGEと呼ばれるメインステージが、「THE_VERVE」、「THE_PRODIGY」、「PANIC_AT_THE_DISCO」、「ZEBRAHEAD」、「THE_SUBWAYS」、「ONEREP_UBLIC」、「JOE_LEAN_AND_THE_JING_JANG_JONG」、「LOS_CAMPESINOS!」、10日のメインステージが「COLDPLAY」、「ALICIA_KEYS」、「THE_KOOKS」、「311」、「THE_HOOSIERS」、「VAMPIRE_WEEKEND」、「THE_WOMBATS」です。非常にうまく分けています。アーティストの面子だけを考えれば10日だけでもいい気もするのですが、やはりテントを張ってフェスの雰囲気を楽しみたいと思ってしまいます。MOUTAIN_STAGEというセカンドステージのようなところでは9日になんとあの「SEX_PISTOLS」がプレイするのです。あとは「LOSTPROPHETS」、「マキシマム ザ ホルモン」、「NEW_FOUND_GLORY」、「TRIVIUM」、「KIDS_IN_GLASS_HOUSES」、「BEAT_UNION」、「THE_METROS」とそうそうたるメンバーです。10日は、「FATBOY_SLIM」、「DEVO」、「JUSTICE」、「BOOM_BOOM_SATELLITES」、「JUNKIE_XL」、「POLYSICS」、「LATE_OF_THE_PIER」、「THE_TING_TINGS」とこちらもドープな面々が揃っています。私がどうしても見たいライブは「COLDPLAY」と「ALICIA_KEYS」でしょうか。「THE_PRODIGY」、「SEX_PISTOLS」も見たいのですが、最近は音源もリリースしていないし目立った活動がないので、やはり見れたらいいなくらいの気持ちです。一緒に泊まってくれるようなノリノリの人がいたら2日間通して行くのがベストな気がしてきました。

2008年5月15日木曜日

Aaliyah

日本のR&B女性シンガーの憧れの存在として「Aaliyah」というアメリカのシンガーがいます。「Aaliyah」は、1979年にアメリカのニューヨークにアメリカ人とネイティブ・アメリカンの両親のもとに生まれました。すごいのが、なんとわずか15歳でR・ケリーがプロデュースしてデビューしたことです。その後はR・ケリーから離れ、今も活躍している名プロデューサーであるティンバランドのもとで1996年にセカンドアルバム「One_In_A_Million」をリリースしました。歌手としてだけでなく、映画の女優としても活躍しており、2000年公開の「ロミオ・マスト・ダイ」ではヒロインのトリッシュ役としてハリウッドスターのジェット・リーとも共演しました。その映画では歌手としてはめずらしくアクションシーンもこなし、映画の主題歌である「Try_Again」も大ヒットを記録しました。2001年にサードアルバムである「Aaliyah」が発表され、映画の「マトリックス・リローデッド」、「マトリックス・レボリューションズ」の出演も決定し、人気も絶頂だったときのことです。プロモーションビデオの撮影を終えた彼女はマーシュハーバー空港から乗ったフロリダ行きのセスナ機が離陸直後に墜落して死去してしまいました。シド・ビシャスさんやカート・コバーンさんなど、カリスマ的な人間は短命に終わるといいますが、あまりにも早い22歳という若さでした。これによって「マトリックス・リローデッド」、「マトリックス・レボリューション」は急遽台本の書き直しが行われて、代役を起用して作成されました。事故の直後に発表された「Miss_You」のプロモーションビデオでは生前彼女と仲がよかったDMXさんや、Missy_Elliottさんが追悼の意味も含めて出演しています。映画として遺作となったのは2002年に公開された「クイーン・オブ・ザ・ヴァンパイア」では女優としても一流の階段をのぼっているかのような名演技も見せていました。その後も2004年の「 I_Care_For_You」、2005年には日本の企画である「Aaliyah_Special_Edition」というベストアルバムも発表されています。

2008年5月14日水曜日

Tour

今日は、これからツアーが始まるアーティスト達を何組かピックアップしてみたいと思います。まずは「VAMPS」。このユニットは「L'Arc~en~Ciel」のボーカルであるHYDEさんと、これまでHYDEさんのソロ活動にかかわってきた「OBLIVIONDUST」のK.A.Zさんによる注目の新プロジェクトです。8月から「VAMPS_LIVE_2008」として全国ツアーが始まるのですが、HYDEさんのファンなどから大きな人気が集まるのが予想できます。そして現在ツアー「YUKI_concert_New_Rhythm_Tour 2008」を開催中の「YUKI」さん。現在開催中のツアーの終了後に1日のみのスペシャル・ライブとして赤坂BLITZでライブを行うようです。こちらも満員御礼は間違いないところではないでしょうか。そして、5月28日にリリースされる3ヶ月連続リリースの第2弾となるシングルが待たれる「MISIA」さん。その直前には横浜BLITZにてアフリカ・ベネフィット・ライブに登場する予定ですが、「第4回アフリカ開発会議」の開催を控えているだけに注目が集まります。そしてしょこたんこと「中川翔子」さんです。23回目の誕生日である5月5日から初のツアーをスタートさせたばかりですが、5ヵ所の都市で行われた全公演が即日完売したため、追加公演が決定しました。東京公演の6月7日、8日に行われる予定の「JCB_HALL_2_DAYS」と銘打つライブのチケットは5月17日からの発売となります。今回も即日完売となってしまうのでしょうか?そして2月からツアーをスタートしている「AI」さんの「DON'T_STOP_A.I._JAPAN_TOUR」もいよいよ終盤となっています。ツアー・ファイナルの武道館公演がまもなくとなっているので、目が離せませんね。そして9月16日に初の東京ドーム単独公演を行う「Avril_Lavigne」さん。昨年リリースされたアルバム「BEST_DAMN_THING」が日本でも大ヒットを記録しており、今回は彼女の地元のカナダからスタートしたワールドツアーで来日します。東京ドームでの公演ということもあって、9月16日はまさにビッグイベントとなりそうです。

2008年5月13日火曜日

Superfly

Superflyのファーストアルバムである「Superfly」が5月14日にリリースされます。60年代から70年代のロックンロールを基本として、独自のエッセンスを加えたキャッチーなサウンドと、とても伸びやかなボーカルサウンドで、デビューしてから今までずっと評価を上げ続けてきたこのSuperflyのサウンドは、次世代のロックンロールであるということを感じさせてくれます。ボーカルの越智志帆さんも自身満々でこのアルバムをリリースしたようで、現時点で出せる最高の曲ができあがっており、歌も自分自身が酔えるほどのパフォーマンスを出せたと語ります。今までリリースしたシングルからこだわりを感じることができるのが、生生しい音作りで全体のサウンドの味付けがされており、生生しい音がより雰囲気のあるボーカルへと引き立てて、独特の感性でバランスがとられています。このSuperflyは2004年にボーカルの越智志帆さんとギターの多保孝一さんによる2人組のユニットとして結成されました。そして、2007年に多保孝一さんがメンバーとしての活動から一線を退き、コンポーザー・アレンジャーとしての活動に専念することになったため、越智志帆さんのソロユニットとなりました。Superflyは2007年からその露出を増やしてきていますが、世間に認知されだしてからの活動は若干1年です。その間にはインディア・アリーの渋谷AX公演において、オープニングアクトを務めたり、テレビ朝日系の「ミュージックステーション」の春うた3時間スペシャルの「Young_Gun_Spring_Fes'07」コーナーで出演して、デビューシングルである「ハロー・ハロー」を披露したり、全国5箇所で初のワンマンツアーを行うなどをして活動の幅を広げており、現在成長過程であるとも言えます。明日5月14日には代々木公園にてアルバムリリースのプロモーションとしてフリーライブを行うことが決定しており、その模様はMUSIC_ON! TVで生放送されるそうです。また、今年の全国ツアーは追加公演も決定しており、ますますの活躍が期待できそうなアーティストです。

2008年5月12日月曜日

chatmonchy

2008年の3月31日と4月1日にチャットモンチーが武道館ライブを決行しました。チャットモンチーは、2000年に結成されたバンドで、最初は徳島県を中心に活動していました。現在のメンバーは、1983年生まれ、ギター、ボーカルの「橋本絵莉子」さんと、1983年生まれ、ベース、コーラスの「福岡晃子」さんと、1982年生まれ、ドラム、コーラスの「高橋久美子」さんの3人の女性からなるスリーピースロックバンドです。4月1日の武道館ライブは1曲目はデビュー・ミニアルバムの1曲目である「ハナノユメ」、この日の曲構成はチャットモンチーのこれまでの活動の歩みを順序どおりに追っていくようなセットリストで、それを知っている人から見ればとても感慨深い流れになっていました。初の武道館ライブにも全くおくさず、独自の世界観を独特のプレイスタイルで披露していました。その風貌からは想像できないようなアッパーな楽曲群「どなる、でんわ、どしゃぶり」や、「恋愛スピリッツ」など、キャッチーなポップミュージックではなくバンドサウンドというものを見事に披露し、改めてすごいバンドであるということをアピールしました。この日は特にベースの晃子が「チャットモンチーここにあり」ということを全身全霊をかたむけて表現しているような気迫が伝わってきました。見事武道館を制した彼女達は今後もさらにロックバンドとしての成長を続けていくでしょう。ちなみにこの日のセットリストは1「ハナノユメ」、2「ツマサキ」、3「DEMO,恋はサーカス」、4「惚たる蛍」、5「恋の煙」、6「湯気」、7「どなる、でんわ、どしゃぶり」、8「恋愛スピリッツ」、9「終わりなきBGM」、10「ひとりだけ」、11「手のなるほうへ」、12「Make_Up! Make_Up!」、13「とび魚のバタフライ」、14「女子たちに明日はない」、15「橙」、16「風吹けば恋(新曲)」、17「シャングリラ」、18「真夜中遊園地」、19「親知らず」、20「ヒラヒラヒラク秘密ノ扉」、アンコール「東京ハチミツオーケストラ」でした。今後も5月22日の「Bent_Beat_Special 08 ~踊る大演奏会 事件はBENTでおきてるんじゃない(略)~」や、6月20日の「Hot_Stuff_Promotion 30th Anniversary BLACK_AND_BLUE」」や、8月23日~24日の「MONSTER baSH 2008」など多数ライブを控えています。

2008年5月11日日曜日

Asian_Dub_Foundation

2008年の5月29日からAsian_Dub_Foundationが来日します。日本の主要都市3ヶ所を回るツアーで、5月29日には名古屋のNAGOYA_CLUB_QATTROで、翌日の5月30日には大阪のNAMBA_HATCHで、そして6月1日には東京のSTUDIO_COASTでゲストのTHE_BLUE_HERBとともに各地でライブをします。Asian_Dub_Foundationは1993年にロンドンの在英エイジアン2世を中心としてグループを結成しました。現在のメンバーはギターの「Steve_Chandre_Savale aka Chandrasonic」さん、プログラミングの「Sanjay_Tailor」さん、ターンテーブルの「Pandit aka Pandit_G」さん、ボーカル、MCの「Aktarv8r」さん、ボーカル、MCの「Al_Rumjen」さん、ベースの「Martin_Savale aka Babu_Stormz」からなります。ロンドンを1995年に発表したデビュー・アルバムである「Facts_And_Fictions」は当時ブリット・ホップブームだった本国のイギリスでは音楽のジャンルのせいで低い評価をされていました。しかしフランスをはじめとしたヨーロッパの各地ではある程度の評価を受けていました。これによってイギリスを離れて、フランスのレーベルから1997年にセカンドシングルである「R.A.F.I」をリリースしました。同年にロンドンのレコード会社と契約をして「R.A.F.I」に再録音と新曲を加えた形のリニューアルセカンドアルバム「Rafis_Revenge」を発表し、その後PRIMAL_SCREAMのツアーでフロントアクトに大抜擢されたことにより一躍世界中での認知度を上げました。そして2008年に通算6枚目のニューアルバムである「Punkara」を完成させました。このタイトルはパンク+バングラを意味しています。文字通りパンクの要素とAsian_Dub_Foundationのルーツであるバングラ・ビートを融合し、さらにパワーアップしたサウンドが詰め込まれています。そして相変わらずの痛烈なまでの政治的なメッセージが込められています。FUJI_Rock_Festivalの常連でもある彼らですが今年はFUJI_Rock_Festivalには参戦せず、今回のツアーのみのライブなのでどうかお見逃しなきよう!

2008年5月10日土曜日

FUJI_ROCK_FESTIVAL'08

今年もこの季節がやってきました。7月の25日、26日、27日に苗場スキー場で開催される「FUJI_ROCK_FESTIVAL'08」。開催は2ヶ月先なのですが、出演アーティストが本格的に発表されるのが毎年ちょうど今くらいなのです。さて、楽しみにしていたアーティストのラインナップはといいますと、まず25日(fri)がメインが「my_bloody_valentine」。正直知りませんが、とても気になるので予習してみようと思います。あとは「Bootsy_Collins」、「DAN_LI_SAC_VS_SCROOBIUS_PIP」、「DOBERMAN」、「EGO-WRAPPIN'」、「FEEDER」、「GALACTIC」、「GOSSIP」、「INO_hidefumi_LIVE_SET」、「JAMIE_LIDELL」、「JASON_FALKNER」、「KASABIAN」、「KATE_NASH」、「DJ_MEHDI」、「mice_parade」、「中山うり」、「OZOMATLI」、「くるり」、「THE_RASCALS」、「RODRIGO_Y_GABRIELA」、「RYUKYUDISKO」、「SHERBETS」、「Shing02」、「SPECIAL_OTHERS」、「SPOON」、「TRAVIS」、「THE_WHIGS」です。26日(sat)は、メインが言わずと知れた「Underworld;」。そして「ASPARAGUS」、「BETTYE_LAVETTE」、「BLACKMARKET」、「THE_CRIBS」、「eastern_youth」、「EROL_ALKAN」、「FLOWER_TRAVELLIN'」、「THE_FUMES」、「GOGOL_BORDELLO」、「GOTYE」、「HARD-FI」、「IAN_BROWN」、「JANET_KLEIN」、「LETTUCE」、「M!NK」、「沖仁」、「PARA」、「PRIMAL_SCREAM」、「PRINCESS_SUPERSTAR」「RICHIE_HAWTIN」、「ROGER_JOSEPH_MANNING_JR.」、「SPARRKS」、「鈴木慶一/Captain_HATE_and_The_Seasick_Sailors」、「SWITCH」、「柳ジョージ&レイニーウッド」です。27日(sun)のメインは「忌野清志郎&NICE_MIDDLE_with_NEW_BLUE_DAY_HORNS_plus_仲井戸”CHABO”麗市」、そして「ADRIAN_SHERWOOD」、「BAGDAD_CAFE_THE_trench_town」、「BEAT_CRUSADERS」、「BEN_FOLDS」、「Big_Willie's_Burlesque」、「Bill_Laswell_presents_Method_of_Defiance」、「THE_BREEDERS」、「CSS」、「DatA」、「THE_DEATH_SET」、「DOUBLE_FAMOUS」、「ELLEGARDEN」、「FreeTEMPO」、「THE_GO!TEAM」、「JASON_MRAZ」、「キセル」、「LEE'SCRATCH'_PERRY」、「MELEE」、「MICHAEL_FRANTI_AND_SPEARHEAD」、「THE_MUSIC」、「MYSTERY_JETS」、「NARUYOSHI_KIKUCHI_DUB_SEXTET」、「NEON_NEON」、「ONE_NIGHT_ONLY」、「Riddim_Saunter」、「SEASICK_STEVE」、「友部正人」、「WHITE_LIES」、「ゆらゆら帝国です。例年に比べると少しビッグネームが少ない気もします。しかし、それだけ今回は名前よりも「ROCK」という概念の基本に戻ろうとしているように思えます。知らない名前もたくさんありますが、きっと今後シーンを牽引できるポテンシャルを秘めたアーティストばかりなのでしょう。正直知っている名前先行アーティストばかりのミーハーなFESよりも今回のようなラインナップのほうが魅力的だと思います。

2008年5月9日金曜日

ap_bank_fes'08

音楽プロデューサーの小林武史さんと、日本の人気バンドMr.Childrenの桜井和寿さんが中心となって、環境問題やエコ活動への取り組みを啓蒙する2004年から始まった毎年恒例のイベントである「ap_bank_fes'08」の出演者が7日に発表されました。現時点で24組もの豪華アーティストが決定しており、シークレットゲストも予定されているそうで、おそらく過去最多の出演者となります。アーティストは、平原綾香さん、GLAYさん、一青窈さん、RIP_SLYMEさん、KANさん、大橋卓弥さん、GAKU-MCさん、BONNIE_PINKさん、ASKAさん、AIさん、KREVAさん、salyuさん、コブクロさん、中村中さん、the_pillowsさん、広瀬香美さん、Mr.childrenさん、ヨースケ@HOMEさん、小田和正さん、My_Little_Loverさん、Caravanさん、絢香さん、WISEさん、レミオロメンさん、bank_bandさん、と非常に豪華な顔ぶれです。また、地球温暖化問題が叫ばれているのをうけて、今年はライブ史上初めて「カーボンオフセット」を取り入れるそうです。来場者全員が交通機関を使用することにより発生する二酸化炭素の量を概算し、一方でライブの収益金の一部でラオスのビール工場に省エネ機器を設置し、その機器による二酸化炭素の抑制量を環境価値として取引し、来場者の二酸化炭素と、機器による抑制量を互いに消しあってゼロにするそうです。個人的にはこの試みに関しては本気で環境問題にとりくむのなら電車で行くことができる場所でイベントを開催したほうが遥かに建設的だと思うのですがいかがでしょうか?スポンサーの絡みなどもあるのでしょうか?ただこの「カーボンオフセット」によって民間に向けて二酸化炭素削減の認知度を広めて一般の人達の意識を高めるという効果は期待できます・・・少なくとも来場者の環境問題への関心は高めることができるでしょう。このイベントに向けてMr.Childrenの桜井さんは天気がよくて、音楽があって、みんなの笑顔以上のことは求めていないし、それこそが何よりの贅沢で最高の幸せだと語っています。イベントの中心人物である桜井さんがこういった気持ちで挑むこの「ap_bank_fes'08」きっと純粋に楽しいイベントになるに違いありません。

2008年5月8日木曜日

Radiohead

イギリスの音楽史を語るうえで外してはいけないのが「Radiohead」というバンドです。曲を聴いたことがなくてもこの名前を聞いたことがある人は相当数いるのではないでしょうか?この「Radiohead」は1985年に結成し、1992年にメジャーデビューを果たしました。このバンドの一番の特徴はオリジナリティが非常に高い音楽性とアルバムごとに常に新しい音をリリースし続ける実験的ともとれる音楽への探求心でしょう。彼らはマンネリ化しつつあった音楽シーンに果敢に切り込んでいき、それが最も創造的なグループと賞賛されてきました。メンバー構成は孤高の天才詩人と評価を受けている1968年生まれのメインボーカル「Thom_Yorke」、ギター、シンセサイザー、鉄琴など多彩な楽器を使用する1971年うまれの「Jonny_Greenwood」、ギターとバックボーカルを務める1968年生まれの「Ed_O'Brien」、ベースとシンセサイザーを使用する1969年生まれの「Colin_Greenwood」、ドラムとパーカッション担当は1967年生まれの「Phil_Selway」からなります。世の中の多くのバンドがメンバーの入れ替えをする中で、このバンドはデビューの時からメンバーが変わっていないのも特筆すべき点の一つといえます。彼らがリリースしたアルバムは1993年の「Pablo_Honey」、1995年の「The_Bends」、1997年の「OK_Computer」、2000年の「Kid_A」、2001年の「Amnesiac」、2003年の「Hail_To_The_Thief」、2007年の「IN RAINBOWS」です。1997年に発表された「OK_Computer」は世界中で高い評価を獲得し、1990年代のポップ・ミュージックを代表する金字塔とまで言われています。その後もアルバムごとに変化する音楽性はファンに戸惑いすらあたえ、アルバムのリリースの度に賛否両論を巻き起こすのですが、数年経つとこれらのアルバムはまぎれもなく「Radiohead」の音楽であったことに皆気づき始めます。今年2008年にはツアーで来日するそうなので、未だ「Radiohead」を聞いたことがない方は一度聞いてみてライブに行くかどうか考えてみることをおすすめします。

2008年5月7日水曜日

X JAPAN

1998年に33歳で死去した元X_JAPANのギタリストであるhideさんの追悼公演「hide_memorial_summit」が4日の東京・味の素スタジアムでの最終公演を終えました。この日はあのYOSHIKIさんが今は亡きhideさんの愛用ギターと同モデルの「イエローハート」を持ち、ステージでそれをかき鳴らしhideさんの曲「ピンクスパイダー」を演奏しました。YOSHIKIさんといえばツインバスドラムを駆使した高速ドラムと柔らかく美しいピアノが持ち味のプレイヤーで、ステージでギターを演奏するのは1992年の「エクスタシーサミット」以来のことです。この日の「ピンクスパイダー」のボーカルはTOSHIさん。ドラムはLUNA_SEAの真矢さんで、この日にかけるhideさんへの思いを会場にむけて猛烈にアピールしました。サプライズはまだまだ続き、LUNA_SEAX_JAPANの共演で、ドラムにYOSHIKIさん、ボーカルにはTOSHIさんとRYUICHIさん、そしてギターには真矢さんで、LUNA_SEAの曲である「BELIEVE」を演奏しました。最後は総勢60名によるバンド「無敵バンド」でX_JAPANの代表曲である「X」を演奏しました。ボーカルにはTOSHIさん、T.M.Revolutionさん、RYUICHIさんを筆頭に5人。YOSHIKIさんは自身の愛用のギターでステージを走り回り、ギターを壊すパフォーマンスも披露していました。そしてこの日X_JAPANが8月2日に台湾の台北ワールドトレードセンターにてライブを行うことが発表されました。YOSHIKIさんのロサンゼルスのスタジオに、1万人以上もの台湾のファンから台湾でライブをしてほしいとの嘆願書が届いていたそうで、それが今回の台湾でのライブにつながったようです。7月5日にはフランスのパリノールビルパント展示会場で、9月13日にはアメリカ・ニューヨークのマディソンスクエアガーデンにて日本人初の単独ライブを行うことも決まっているほか、20カ国以上ものライブ依頼があるそうです。復活すやいなやのワールドツアーとなりますが海外でもぞんぶんに暴れてきてほしいと思います。

2008年5月6日火曜日

NINJA_TUNE

ニンジャ・チューンというレーベルがあります。このレーベルはコールドカットによって90年に設立され、活動当初はヒップホップを基本としたブレイクビーツの作品をたくさんリリースしてきました。そして90年代半ばにはモ・ワックスとならんでアブストラクト・ヒップホップやトリップホップといった新しいシーンを牽引してきなのは有名な事実です。そして独特のイメージを作り上げてきたこのレーベルはその後、ドラムンベースやテクノ系の楽曲もラインナップに加えて幅広いジャンル構成にはなったのですが、今もなお高いクオリティーの楽曲ばかりをリリースし続けています。このようにレーベルとしてのジャンルの枠を広げ、今も尚成長しているニンジャ・チューンから、レーベルの過去から現在を集約したシリーズ作品、「Ninja_Cuts」の第5弾である「They_Don't_Know:Ninja_Cuts」がリリースされました。このコンピレーションアルバムにはシネマティック・オーケストラなど、ニンジャ・チューンの有名所アーティストたちの未発表曲や初CD作品などが収められています。また、ブレイクコアの新星であるバグや、ドラムン・ベースの新星であるケミスツなど、まだアルバムを発表していないアーティストの最新の音源も収められています。このレーベルを語る上で外せないのはレーベルの創始者である「COLD_CUT」の存在です。2006年に発表された「Sound_Mirrors」はほぼ全曲に有名なゲスト・ボーカルを招いており、その中にはジョン・スペンサーの名前もあります。このボーカルを前面に押し出したスタイルのアルバムをリリースすることによって、ポップミュージックよりの一般のリスナーにもニンジャ・チューンの存在を知らしめました。他ではクラブでのパーティーも主催しており、そのパーティー名を冠した「Solid_Steel」というミックスCDシリーズでは、これまでにヘクスタティック、Mrスクラフ、dj_Kentaro、ボノボなど数々の有名DJの曲が収められておりクラブ・ミュージックが原点のレーベルであるということが伺えます。今後もこのレーベルがポップミュージックをリリースすることはまずないと思いますが、どのような方向に向かっていくのかが非常に楽しみです。

2008年5月5日月曜日

Limp_Bizkit

アメリカのミクスチャーバンドのLimp_BizkitというバンドはRed_Hot_Chili_PapersRage_Ageinst_The_Machineとよく比べられたりもしていますが、実際は似ているのはミクスチャーということと知名度が高いということくらいで、音楽性は完全にオリジナルでパンクの要素も強く入っています。このバンドの特徴は甲高いボーカルの声とヘビーで疾走感あふれるその楽曲の数々とループ的なリフやところどころではいるDJのスピンではないでしょうか。ヒップホップとロックの融合という点においては郡を抜いている存在だと思います。現在のメンバーは1970年生まれのボーカル「フレッド・ダースト」さん、1977年生まれのベース「サム・リヴァース」さん、1977年生まれのドラムス「ジョン・オットー」さん、1972年のターンテーブリスト「DJリーサル」さんで、ギターを務めていたウェス・ボーランドさんは2006年に脱退して自らのバンドBlack_Light_Burnsに専念しています。このLimp_Bizkitは1994年にボーカリストのフレッド・ダーストさんとその友人であるベーシストのサム・リヴァースさんが結成しました。その後にサム・リヴァースさんの従兄弟であるジョン・オットーさん、そしてギタリストのウェス・ボーランドさん、DJリーサルさんが加入してデビューします。彼らが発表したアルバムは1997年の「Three_Doller_Bill,Y'all$」、1999年の「Significant_Other」、2000年の「Chocolate_Starfish_And_The_Hot_Dog_Flavored_Water」、2001年の「New_Old_Songs」、2003年の「Results_May_Vary」、2005年の「The_Unquestionable_Truth-Part1」、2005年の「Greatest_Hits」です。デビューアルバムである「Three_Doller_Vill,Y'all$」はアメリカだけで200万枚を超えるヒットとなり、2枚目の「Significant_Other」は全米初登場第1位を記録し、合計で700万枚以上も売り上げています。そして3枚目の「Chocolate_Starfish_And_The_Hot_Dog_Flavored_Water」でロックアルバムの初動売り上げ記録を更新し、計1200万枚を超えるヒットを記録しました。これによってたった3枚のアルバムで世界中にその名前をとどろかせる存在となっています。現在はギタリストがいない状態ですが、今後も作品をリリースし続けてほしいと思います。

2008年5月4日日曜日

Madonna

先日マドンナの「HARD_CANDY」というニューアルバムが発表されました。50歳という年齢にしてまたしても、音楽性とコンセプトをガラッと一新した刺激的な意欲作品です。イラク戦争にタイミングをぶつけたようなメッセージ色が濃かった前々作である「American_Life」から一転して、前作の「Confessions On A Dance Floor」は4つ打ちのビートが満載の完璧なダンスアルバムと常にアンテナを張り巡らしているかのように時代に合わせた楽曲を発表していました。ちなみにこの2作品はどちらも全米、全英ともにナンバーワンのセールスを獲得しています。では2年半ぶりに発表された今作はどんな感じなのかというと、ネプチューンズとティンバランドを大々的に起用して、トレンディなR&B路線となっているのです。自分の音楽性を持っていないとの評価もありますが、それは昔からポップ・ミュージックの物質的な側面をアートに転換して表現しつづけてきたマドンナの手法なのです。そう、マドンナ自身が「ポップ・アート」なのです。それは先日発表されたアメリカのフォーブス誌での過去1年間の女性歌手収入ランキングで、7200万ドルを稼いだマドンナが1位を獲得していることでも証明されていると言ってもいいでしょう。もちろん稀代のヒットメーカーであるネプチューンズやティンバランドが提供する楽曲にしょぼい曲があるはずがありません。最新のR&B、80年代風のファンク・ポップ、ディスコ・ミュージック、アコースティックギターをサンプリングしたメロディアスなポップチューンなど原点回帰ともとれる路線変更のうえにバラエティー豊かな楽曲郡。そしてそれに加えてカニエ・ウェストやジャスティン・ティンバーレイクなどの豪華なゲスト陣を加えれば大ヒットしないはずがありません。また、マドンナのワールド・ツアーは開催される度に世界中のメディアが報じるほど反響があり、すばらしいクオリティをもったコンサートであることで有名です。毎回巨大なセットを使うことでも有名で、過去に使用した代表的なセットは1990年に「Blond_Ambition_Tour」のオープニングで登場した工場をモデルにしたセットや、2006年の「Confessions_Tour」で使用した、総額2億円のミラーボールと高さが6メートルもある十字架などがあります。今回のワールド・ツアーも世界中の話題となることは間違いありません。

2008年5月3日土曜日

OASIS

UKを代表するバンドと言えばかなりの人がOASISの名前を真っ先に思いつくのではないでしょうか?1992年に結成されたこのバンドはそれほどの知名度と影響力を持っています。プリットホップと呼ばれたムーブメントの発端とも言える存在であり、イングランドの音楽史を語る上ではかかせないバンドです。現在のメンバーは、メインボーカルである1972年生まれのリアム・ギャラガーさんと、ギタープレイヤーで、作詞、作曲をこなし、今やバンドの中心人物ともいえる1967年生まれのノエル・ギャラガーさん、そして同じくギタープレイヤーのゲム・アーチャーさん(1966年生まれ)、ベースのアンディ・ベルさん(1970年生まれ)、現在は正式なメンバーではないですがドラムのザック・スターキーさん(1965年生まれ)の5人です。このバンド、実は結成後しばらくは売れないバンドとして活動していたのですが、リアム・ギャラガーさんの実弟であるノエルさんが加入し、曲を作りだしたことによって爆発したのです。1994年に発売されたアルバムの売り上げはイングランドで初登場第1位を記録し、過去のアルバム最速売り上げ記録を更新しています。そして、OASISの地位を不動のものとしたのが1995年に発売されたセカンドアルバムの「Morning_Glory?」です。このアルバムはUKチャートでは当然1位を記録し、アルバムの総売上枚数は2000万枚を超え、ビートルズが保持していたアルバム売り上げ記録を更新してしまいました。このアルバムのあまりの完成度の高さに、全曲シングルカットの企画も発案されたそうです。現在発表されているアルバムは、1994年の「Definitely_Maybe」、1995年の「
Morning_Glory?」、1997年の「Be_Her_Now」、1998年の「The_Masterplan」、2000年の「Standing_On_The_Shoulder_Of_Giants」、2000年のライブアルバムである「Familiar_To_Millions」、2002年の「Heathen_Chemistry」、2005年の「Don't_Believe_The_Truth」、2007年のベスト盤である「Stop_The_Clocks」です。もしもOASISを聞いたことがない方がいれば、一度聞いてみることをおすすめします。

2008年5月2日金曜日

code

音楽には3大要素と言われる要素があります。それは、メロディ、リズム、ハーモニーの3つなのですが、今日はこのハーモニーの定義について書いてみようと思います。このハーモニーという言葉は「和声」という意味で、複数の音の響きや調和、あるいはそのつながりに関する理論を指す言葉です。その主なものがコードなのです。コード(和音)とは簡単に言えば「2つ以上の違う音程の音を合成したもの」です。2つの音が同時に出ていても和音と呼ぶわけなのですが、音楽理論の分類上は、3和音をコードの原型とし、これを「トライアド」と呼び、これはコードの基本中の基本なのです。トライアドの構成音は、ルート、3度、5度の3つの音なのですが、とりあえず誰もがギターを習う時に始めに教えられる「Cメジャー」というコードを例にして説明します。この「Cメジャー」はド・ミ・ソの3つの音を使うコードなのですが、ここでは「ド」がルートの音、ドレミの「ミ」が3度の音、ドレミファソの「ソ」が5度の音となります。ちなみに「Dメジャー」なら「レ」がルートの音で、「ファ」が3度、「ラ」が5度の音です。そしてこの3つの音同士の音程の違いから「メジャー・トライアド」、「マイナー・トライアド」、「オーグメンテッド・トライアド」「ディミニッシュド・トライアド」の4種類に分けられます。「メジャー・トライアド」は先ほど説明しましたが、この「メジャー・トライアド」の3度の音を半音下げると「マイナー・トライアド」と呼ばれるようになり、「Cm(シーマイナー)」となります。構成音は「ド」「ミのフラット」「ソ」ですね。そして、「オーグメント・トライアド」とは「メジャー・トライアド」の5度の音を半音上げたもので、音階でいうと「ド」「ミ」「ソのシャープ」です。そして「マイナー・トライアド」の5度の音を半音下げたものは「ディミニッシュド・トライアド」と呼ばれ、音階は「ド」「ミのフラット」「ソのフラット」です。この4つが全てのコードの原型であり、さまざまなコードがもつ基本的な性格はこの4つに分類されるということになります。世の中にたくさんある様々なコードはこの4種類の基本的な形の上にいくつかの音を積み重ねることで成り立っていると言えます。このコードの組み合わせによっては聞く人を楽しくさせたりも、悲しくさせたりもできてしまうのですから、音楽とは本当におもしろいものですね。

2008年5月1日木曜日

Red_Hot_Chili_Peppers

Red_Hot_Chili_Peppers言わずと知れたアメリカ、カリフォルニア出身のロックバンドです。メンバーは1962年生まれのアンソニー・キーディス(ボーカル)、1962年生まれのマイケル・バルザリー”フリー”(ベース)がオリジナルメンバーで、この2人と1972年生まれのジョン・フルシアンテ(ギター)、1961年生まれのチャド・スミス(ドラム)で構成されています。彼らの楽曲はファンク、ヒップホップ、ハードロックなどを組み合わせたミクスチャーというカテゴリに分けられていますが、ジャンルでは分けきれない深さをもっています。現在でこそ世界でも有数のロックバンドの地位を確立しているかれらですが、常にドラッグやその他の問題と隣り合わせでした。ボーカルのアンソニーさんの父親は無名の俳優だったのですが、その父親にドラッグや女性や犯罪めいたものまでを教えてもらいます。ドラッグを辞めてはまた乱用するといった、一般的には苦悩とも思える半生を過ごしています。またバンドとしてもギタリストが頻繁に入れ替わっています。結成メンバーであるヒレル・スロヴァクさんはアンソニーさん、マイケルさんの親友だったそうですが、1988年にヘロイン過剰摂取により死亡してしまいます。その後はジャック・シャーマンさん、デュエイン”ブラックバード”マクナイトさん、ザンダー・シュロスさん、アリク・マーシャルさんジェス・トビアスさん、デイブ・ナヴァロさんと多くのメンバーチェンジを繰り返していますが、その理由に誰もヒレル・スロヴァクさんの代わりは務めきれないことをあげています。オリジナルメンバーのドラムであるジャック・アイアンズさんもヒレルさんの死によって苦悩し、バンドを脱退してしまいました。これらの苦悩と闘い続けることによってなんとも深い悲しみを含んだ楽曲を多く発表しているこのRed_Hot_Chili_Peppersですが、彼らの人気の秘密はそれだけではなく、オーディエンスの度肝を抜くパフォーマンスにもあります。もしも再び彼らが来日することがあれば一度ライブを見に行くことを強くおすすめします。

2008年4月30日水曜日

Bjork

少し前のお話なのですが、私は2008年の2月19日のBjorkの日本武道館公演に行きました。Bjorkは1965年、アイスランド生まれのアーティスト、主にボーカリストなのですがその美しい歌声から「妖精」としても認知されています。楽曲は非常に多彩で、(一般でいう、ポップス、オルタナティブ・ロック、ジャズ、クラッシックですがジャンルで分けるのも恥ずかしくなってしまいます。)Bjork独自の音楽観で多くの名曲を発表しています。そのオリジナリティと比類なきボーカルによって過去、12回のアメリカ・グラミー賞、そしてアカデミー賞にもノミネートされました。代表的な作品は1993年のDebut、1995年のPost、1997年のHomogenic、2000年のSelmasongs、この時の映画「ダンサー・イン・ザ・ダーク」に主演したことでカンヌ国際映画祭の最優秀女優賞を受賞し、日本でも大きな話題となりました。2001年のVespertine、2002年のGreatest_Hits、2004年のMedulla、2007年のVoltaでしょうか。私が初めてBjorkCDを購入したのはHomogenicです。当時、パンクバンドが大好きだった私ははっきり言ってBjorkの楽曲を好きになれませんでした。というか嫌いでした。そのころの私には楽曲の深さが暗いと映り、なによりも斬新すぎたのです。どんなCDでもずっと保管するタイプなのですが、友人にあげてしまいました。しかし、その数年後、なにを思ったかもう一度同じCDを購入したのです。それでもそんなに好きにはなれませんでしたけど、Bjorkはこういう音楽なんだということが理解できました。そしてそのCDCDラックに眠ります。そして数年後不思議なことにそこまで好きなアーティストではなかったのにもかかわらず、新しいCDが発表されるたびに購入し、聞くたびにどんどん好きになっていきました。私がBjorkのファンになったのを決定づけたのはNYでのオペラハウスでのライブ映像を見たことです。なんとその歌声に感動して涙を流してしまったのです。以後私は熱狂的なBjorkファンになってしまったのです。Bjorkが来日するのはもしかしたらこれが最後かもしれないと思って武道館でのライブに行ったのですが、やはり生で聞くと鳥肌がたちました。死ぬまで聞いていたかったとでも形容しましょうか。その時のライブで「コソボ」を連呼したり、中国公演では「チベット」を連呼するなど自分を表現することに制限がないところも魅力の一つかもしれません。今度ツアーがあれば、海外まで彼女の歌を聞きに行こうと思います。

2008年4月29日火曜日

Phil_Collins

ミュージシャンのPhil_Colinsさんが30年以上にも渡る音楽活動に終止符をうつことを発表しました。Phil_Colinsは本名Philip_David_Charles_Collinsで1951年にロンドンで生まれ、バンド活動やソロ活動で多くの作品を発表し、その多くの曲が大ヒットを記録しています。彼は1970年にロックバンド(Genesis)にてドラマーとして参加し、後にはボーカルも務めました。ソロ活動でも1984年には「カリブの熱い夜」という映画の主題歌をリリースし、1985年には「Easy_Lover」というEarth_Wind_&_Fireのリードボーカルのフィリップ・ベイリーさんとのデュエット曲リリースしています。ソロでもバンドでも世界中で大ヒットした曲を多く手がけています。余談ですが、私は彼の「Everyday」(この曲も大ヒットを記録しました。)という曲が大好きで、今でもたまに口ずさんだりします。彼が自身の活動で成功を収める一方で、プロデューサーとしても大活躍しています。ロバート・プラントのアルバムをプロデュースし、さらにはドラマーとして彼のワールドツアーに参加するなど精力的に活動していました。またその一方では俳優としても活躍していたのです。「アルマーニ」という映画では主演も務め多才さを世間にアピールしました。2007年にはロックバンド(Genesis)を再結成してワールドツアーを行っていましたが、ツアーを終えてついに達成の境地に達したのでしょうか?今後はアルバムもリリースせず、ツアーにでることもないそうです。そして今後も引き続き曲は書き続けるそうですが、多くの時間を自分の趣味のために使おうと考えているそうです。彼の楽曲は万人むけのまさに王道ポップスミュージックといったものですが、心に響きなんど聞いても飽きのこないメロディと、心地よいボーカルサウンドなどが大ヒットを連発した要因となっているのだと思います。彼の楽曲が「大好き」という人間はたくさんいると思いますが、「嫌い」と言い切る人間はほとんどいないのではないでしょうか?まさにポップスの中のポップス、今後彼の新しいアルバムを聞くことも、彼が歌う姿を見ることももうないのかと思うととてもさびしい気持ちになってしまいます。

2008年4月28日月曜日

perfume

最近話題のperfumeというテクノポップアイドルユニットをご存知でしょうか。メンバーは1989年生まれの西脇綾香、通称あーちゃんと、1988年生まれの大本彩乃、通称のっちと、1988年生まれの樫野有香、通称かしゆか、というそれぞれ広島県生まれの3人で構成されています。2001年に結成され、インディーズ時代を経て2005年に「リニアモーターガール」でメジャーデビューを果たしました。現在出している作品は、2002年の「OMA-JINAI ぺロリ」「彼氏募集中」、2003年の「スウィートドーナツ」、2004年の「モノクロームエフェクト」「ビタミンドロップ」、2005年の「アキハバラブ」メジャーデビュー作の「リニアモーターガール」、2006年の「コンピューターシティ」「エレクトロ・ワールド」、ファーストアルバムである「Perfume~Complete_Best~」2007年の「ファン・サービス」「ポリリズム」、2008年の「Baby_cruising_Love/マカロニ」と最新アルバムである「GAME」です。現在の彼女達の楽曲はビジュアルや振り付けもふくめて一言でいうと「かわいい」だと思います。典型的ともいえるアイドルユニットを新しいタイプのアイドルにしている大きな要素の一つが、2006年の「コンピューターシティ」から田中ヤスタカさんがプロデュースに絡みだしたことです。この田中ヤスタカさんはもともとは新宿のちいさなクラブでDJ活動や楽曲制作などをしていて、近年ではCapsuleというユニットもプロデュースしている新気鋭のアーティストです。このCapsuleもテクノポップとう方向性的にはPerfumeと似ている部分もあり、もはやこれが田中ヤスタカ節であると言えるかもしれませんね。Perfumeがこの「テクノポップ」というスタイルをとってからは一気にブレイクしてしまいました。まず木村カエラさんが偶然見た「チョコレイト・ディスコ」のPVが気に入り自信のラジオ番組で何度も流しました。そして一番の起爆剤はNHKと公共広告機構の共同キャンペーンのCMが何度も全国に流れたことで、世間にPerfumeの存在を認知させることができました。現在の日本の音楽シーンを象徴しているかのようなこのPerfumeですが、このかわいい路線を貫き、田中ヤスタカさんがバックアップしている限り、そう簡単にシーンに飲み込まれることはないと思います。

2008年4月27日日曜日

Richard_David_James

私の大好きなアーティストでもある、Afex_Twinの1992年の名作であるSelected_Ambient_Works 85-92が再発売されました。確かに名盤中の名盤で今聞いても新鮮な音ですが、なぜ今頃再発売?と思ってしまいました。しかしまぁ、この再発売をきっかけに新たにAfex_Twinの魅力を知る人が増えるのは喜ばしいことでもあります。Afex_TwinというのはRichard_D_Jamesというアーティストがたくさんもっている名義のうちの一つで一番認知度が高い名義ではないでしょうか?他にはAFXPolygon_WindowPichard_D._JamsCaustic_Windowなどが広く知られています。他にも私も聞いたことがない名義はたくさん存在し、その名義によって音質は異なるのですが、どれも彼にしか作りえないすばらしい楽曲を提供しています。Richard_D_Jamesは1971年にアイルランドで生まれたそうです。彼がAfex_Twinの名義を使い出したのは1992年にR&Sレコーズからアルバムをリリースしたときからです。1994年にはR&Sレコーズからワープに名義が移り、1996年のRichard_D._James_Albumではブレイクビーツを彼独自の感性で作り上げ、ドリルンベースという言葉を世間に広めました。私が一番影響を受けたアルバムは2001年に発表されたdrukqsというCDです。楽曲的には彼独特の予測不能なブレイクビートの上に、プリペアド・ピアノの美しいメロディを乗せ壮大なAfex_Twinワールドを作り出しています。その後の2003年の26_Mixes_for_Cashでは自分が担当したリミックス集を発表していますが、彼以外には絶対にできないような独特のセンスを感じさせてくれます。彼は現代を代表する世界で有数のアーティストであり、テクノモーツァルトなどと形容されるほどの才能を持っていますが狙ってか狙わずか、奇行癖の持ち主でもあります。戦車を所有しているのは有名な話ですが、この他にも一度もステージに姿を見せずにDJをしたり、ライブで自分のCDをそのまま再生するなどさまざまな逸話を持っています。やはり天才の類の人は常人では思いつかないことを考え付いてそれを行動に移せるのでしょうね。

2008年4月26日土曜日

Snoop_Dogg

最近Snoop_DoggのニューアルバムEgo_Trippin'が発売されました。彼は1972年にLAで生まれ、若い頃はギャングの一員として過ごしたそうです。ギャング業からラップミュージシャンに転向したのは91年らしいのですが、すごいのが92年には西海岸の首領とも言われるドクター・ドレに見込まれレコードデビュー。その後ドクター・ドレのソロアルバムにfeateringされHIPHOP界の時の人となりました。彼の主な作品を紹介すると、1993年のSnoop_Doggy_Dogはデビュー作とは思えない意欲作で、全米ナンバーワンを獲得。1996年のThe_Doggfatherはドクター・ドレの傘下から抜けたためか賛否両論の作品。1999年のNo_Limit_Top_Doggではドクター・ドレと復縁し、西海岸よりの路線に戻っている。2002年のPaid_Tha_Cost_To_Be_Da_BossはDJプレミアとの絡みもあり、音楽性の幅が広がっているのを感じる。2004年のThe_Masterpieceはファンクとソウルの2面性をもっていてクオリティの高い仕上がりとなっている。と15年にもわたりシーンを引っ張ってきているわけですが、今回のEgo_Trippin'はこれまでの作品の中でもひときわ音楽性というものを強調したアルバムです。今までのギャングスター的なイメージからはぴんときませんが、最近のSnoop_Doggは社会に対してとても意義のある活動に力をいれているようです。そういった心境の変化がきっと楽曲に反映されているのでしょう。Snoop曰く今はナイスガイになってどんなひとにも気さくに振舞って、慎ましく生きる域に達しているそうです。彼はこの作品で初めて他人に作曲をまかせることが自分で許せるようになったそうですが、そのことがいい意味でこのEgo_Tripin'の深みにつながっていると思います。彼のHipHopを次の領域に持っていくような姿勢は周囲に波紋を呼び、この小さな可能性は今後もますます一つの路線として広がっていくと思います。また音楽活動以外では、彼自信のバスケットボール・チームを通じて地域社会を活性化させたり、ハリウッド界へ進出しての俳優活動だったりと今後もその一挙一同に目が離せません。

2008年4月25日金曜日

ASIAN KUNG-FU GENERATION

みなさんは、ASIAN KUNG-FU GENERATIONというバンドをご存知でしょうか?日本のバンドです。メンバーはボーカル兼ギターの後藤正文、ギター兼ボーカルの喜多健介、ベースの山田貴洋、ドラムの伊地知潔の4人で構成されているバンドです。海外にもいえるかも知れませんが、最近のロックシーンというものは本当の意味で新しいサウンドを聞かせてくれるバンドが少なくなってきているような気がします。どこにでもあるような曲構成だったり、どこかで聴いたことのあるフレーズ、ベースラインだったりと、中にはカバーだけならまだしも他のアーティストの曲をまんまぱくって自分の曲だと言い張るえせアーティストもいたりするわけです。そういった意味ではこのASIAN KUNG-FU GENERATIONは久しぶりに日本から出てきた新気鋭のロックバンドなのではないでしょうか?パワフルなボーカル、最近の日本のバンドからは聞けなかったエッジの聞いたギターのリフ、エイトビート弾きだけでなく、極力曲のコード感、フレーズを重要視しているベース、エイトビートだけでなくブレイクビートも取り入れ、リズムがすごくタイトなドラム。そして、その4人が作り出す音楽はただのロックではなく、音楽のもつドープな部分を随所にちりばめた曲構成となっているのです。彼らは大学時代に出会い、バンドを結成したそうです。その際にボーカルの後藤さん、通称ゴッチの独断でこのASIAN KUNG-FU GENERATIONに決まったそうです。この長いバンド名をつけてしまったために、サインを書く時は短いバンド名の人の何倍もの労力をつかったそうです。また、ライブ会場やチラシや雑誌などで名前を間違われることも多々あるそうです。Tシャツのバンド名のところのGENERATIONがGENARETIONとなってしまっていたという話を聞いたときには、思わず爆笑してしまいました。でも、その長いバンド名のおかげで私も彼らの存在を知ることができた人間の一人ですので、やはりこのバンド名にして正解だったのだと思います。今年の夏も彼らは精力的にライブ活動を進めるようです。中でも7月に横浜アリーナで開催される、彼らが主催、出演の「NANO-MUGEN FES」は要チェックです。このイベントにはまだそんなに知名度も高くない、というかメジャーよりではないバンドが多く出演するのでかなりサウンドの内容が濃いイベントとなっています。機会があれば遊びに行きたいと思っています。

2008年4月24日木曜日

COLDPLAY

最近よく聴くCDはCOLDPLAYという、イギリスのロックバンドのCDです。正直、最近のイギリス出身のバンドはどれもパッとしないなぁと思っていたのですが、このバンドは違いました。初めて聴いたのは、たまたま暇つぶしのためにレンタルショップで彼らのCDを借りたのがきっかけです。そのCDはA RUSH OF BLOOD TO THE HEADというアルバムなのですが、CDプレイヤーに入れ、1曲目を聴いた瞬間鳥肌が立ち、同時に見事にマイフェイバリットCD群の上位にランクインされてしまいました。それからも、聴けば聴くほど彼らの音へのこだわり、情熱を感じることが出来ます。特にギターの音質が、何度聴いても飽きが来ないというかとても心地よい音質で作られていて、そのあたりも人気の秘密なのかなと思ったりもします。COLDPLAYは、クリス・マーティン、ジョニー・バックランド、ガイ・ベリーマン、ウィル・チャンピオンの4人で構成されるバンドで、バンド結成のきっかけは1996年にユニヴァーシティ・カレッジ・オブ・ロンドンの寮でクリスとジョニーが出会い曲を書き始め、そこにベースのガイとドラム経験のなかったウィルが参加したそうです。よくあるきっかけなんでしょうけれども、こんなにも素敵な曲を作るバンドともなると、とてもドラマティックに感じてしまいますよね。その後の活躍はすばらしいもので、2000年7月に発売されたParachutesというアルバムは全英で初登場第1位を記録したそうです。そして何よりも驚いたのが、あのUK ナンバーワンの呼び声も高いレディオヘッドのアルバムを超えて、アメリカのグラミー賞、最優秀オルタナティヴ・ミュージックアルバムを受賞しているという事実です。いまや全世界でもトップクラスの影響力を持っているバンドと言っても過言ではないかも知れませんね。日本でも2008年の8月に、東京と大阪で開催されるサマーソニックへの参戦が決定しているので、見にいければいいなと思っていますし思っています。さらに、待ちに待ったニューアルバムが、6月11日に美しき生命というタイトルで日本先行発売するそうです。今回もあのちょっとネガティブな感じの歌詞とともにすばらしい音を聞かせてくれるのだろうかと楽しみで仕方がありません。。