2008年5月4日日曜日

Madonna

先日マドンナの「HARD_CANDY」というニューアルバムが発表されました。50歳という年齢にしてまたしても、音楽性とコンセプトをガラッと一新した刺激的な意欲作品です。イラク戦争にタイミングをぶつけたようなメッセージ色が濃かった前々作である「American_Life」から一転して、前作の「Confessions On A Dance Floor」は4つ打ちのビートが満載の完璧なダンスアルバムと常にアンテナを張り巡らしているかのように時代に合わせた楽曲を発表していました。ちなみにこの2作品はどちらも全米、全英ともにナンバーワンのセールスを獲得しています。では2年半ぶりに発表された今作はどんな感じなのかというと、ネプチューンズとティンバランドを大々的に起用して、トレンディなR&B路線となっているのです。自分の音楽性を持っていないとの評価もありますが、それは昔からポップ・ミュージックの物質的な側面をアートに転換して表現しつづけてきたマドンナの手法なのです。そう、マドンナ自身が「ポップ・アート」なのです。それは先日発表されたアメリカのフォーブス誌での過去1年間の女性歌手収入ランキングで、7200万ドルを稼いだマドンナが1位を獲得していることでも証明されていると言ってもいいでしょう。もちろん稀代のヒットメーカーであるネプチューンズやティンバランドが提供する楽曲にしょぼい曲があるはずがありません。最新のR&B、80年代風のファンク・ポップ、ディスコ・ミュージック、アコースティックギターをサンプリングしたメロディアスなポップチューンなど原点回帰ともとれる路線変更のうえにバラエティー豊かな楽曲郡。そしてそれに加えてカニエ・ウェストやジャスティン・ティンバーレイクなどの豪華なゲスト陣を加えれば大ヒットしないはずがありません。また、マドンナのワールド・ツアーは開催される度に世界中のメディアが報じるほど反響があり、すばらしいクオリティをもったコンサートであることで有名です。毎回巨大なセットを使うことでも有名で、過去に使用した代表的なセットは1990年に「Blond_Ambition_Tour」のオープニングで登場した工場をモデルにしたセットや、2006年の「Confessions_Tour」で使用した、総額2億円のミラーボールと高さが6メートルもある十字架などがあります。今回のワールド・ツアーも世界中の話題となることは間違いありません。

0 件のコメント: