2008年5月21日水曜日

TASCAM

小型パワード・モニターにTASCAMから低価格の新製品「VL-A4」が発表されました。この製品はコンパクトなサイズといい、3.6kgという重量といい、Desk_Top_Musicで使うにはちょうどいいです。デザインは落ち着いており、背面にある入力端子はSLRとTRSフォーンのコンボ・ジャックが1系統のみとシンプルです。LEVEL_CONTROLLつまみもありますが、これは感度調整のようなもので、絞りきっても音量はゼロになるわけではありません。このパワード・スピーカーはサイズの割りには重心が低く、中低域がしっかりしているといった感じです。カタログ・データでは70Hzまでとなっていますが、シンセサイザーや打ち込みの重低音もしっかりと輪郭がわかります。これはこのサイズのスピーカーとしては特筆すべき点でしょう。ハイエンドもしっかりあって、シンバルなどの金物も倍音がよく聞こえます。ただし中高域の色づけは少なく、フラットなので聴いた瞬間の派手さはありません。中低域の出音が充実していることと26kHzのハイエンドまでを綺麗に再生してくれるのがこのスピーカーの特徴です。また、再生音量をぎりぎりまで上げたり下げたりしても全体的なバランスがあまり変わらない点も優秀です。ホームユースのモニターとしては十分活躍してくれるでしょう。尚、バスレフ仕様なので設置スペースには気をつけないといけません。側面、背面ともに壁から60cmくらいは離して設置しないと音がぼけるといった現象が起こります。実際の音楽制作の現場で使用すると、中高域の特性がフラットなので、リバーブの設定が多めになったりしますが、これはこのスピーカーに対する慣れの問題です。EQやコンプをかけてみても正確に音が変化するので音作りの際に間違った音を作ってしまうことはまずないでしょう。普通の小型スピーカーではよく500Hz辺りから下が不正確になってしまうことがあるのですが、このスピーカーに限ってそういったことはありません。これらを踏まえてこの「VL-A4」はホームスタジオでのメイン・モニターとして使うのにはとても適しています。なによりもこのサイズでしっかりと低域が聴き取れるのが魅力です。打ち込みから生音の録音まで、オールジャンルで使えるスピーカーといえます。

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