2008年6月8日日曜日

SOIL&PIMP_SESSIONS

SOILの4枚目のフルアルバム「PLANET_PIMP」が先月5月にリリースされましたが、今回の作品は非常にいい意味で肩の力が抜け、気負いのない純粋な音楽的挑戦感を持って作り上げられたのが感じられる作品です。SOILはその音楽の根底にレベルミュージックとしての意識、社会的弱者が自らの存在意義を主張するために鳴らす音楽としての意識と意義を強く持っているバンドで、それがひりひりとした音の闘争性の強さや爆発力に結びついています。過去にジャイルス・ピーターソンのレーベルからリリースを果たし、今や世界各地のイベントに引っ張りだことなったという事実は、彼らの中にひとつの達成感を生み、また別の角度から自らの音楽を見つめ直す機会を与えたのだと思います。代名詞となった爆音ジャズから、今まで以上にジャズのフォーマットを無視したヒップホップ以降のビート感の曲、静かに揺らぐグルーブの中に鋭い音像を差し込むミドルテンポの楽曲、あるいはクラシカルなジャズマナーを感じさせる楽曲など、音楽性の幅がぐんと上がり、より奔放に魂をぶつける自由な音楽が実現しています。このアルバムの曲目は、1曲目「I.N.T.R.O」、2曲目「Hollow」、3曲目「STORM」、4曲目「Fantastic_Planet」、5曲目「GO_NEXT!」、6曲目「Darkside」、7曲目「Sea_of_Tranquility」、8曲目「The_world_is_filled_by...」、9曲目「Khamasin」、10曲目「Struggle」、11曲目「ミンガスファンクラブ」、12曲目「Mars」、13曲目「SATSURIKU_Rejects」、14曲目「Sorrow」です。たった1分弱の曲「ミンガスファンクラブ」を聴いて納得したのは、型破りなベーシストであった異端児、故チャールズ・ミンガスへの敬意を込めたハイスピードの爆音ジャズが彼らの音楽性を包括していることです。いつの時代もジャズが時代の最先端を行く型破りな発送と手法とパフォーマンスを演出し得るものだということを教えてくれるバンドが彼らであり、このアルバムではジャズへの愛と情景がより素直に表現されていて、非常に気持ちがいいです。

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